教育福島0161号(1992年(H04)02月)-039page

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教育・イン・ザ・ワールド

−日米親善の架け橋−

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」

今回はハワイ・ホノルル市立アイエア中学校と国際交流を行い、双方の国で交歓会を実施し成果をあげた福島市立信陵中学校からの報告です。

本校に福島市教委を通してハワイ・ホノルル市立アイエア中学校から国際交流の申し入れがあったのは、平成二年七月であった。どのような活動を展開していけばいいのか不安であったが、国際化時代に向けて、またとないチャンスである。「やれることからやりましょう」と全教職員の協力一致のもとに交流を始めることにした。

そこで十月、打ち合わせのために棚木校長が渡米し、来日予定の生徒三十名、保護者及び関係者と親交を深めてきた。その結果を待ち、信陵中ではホームステイ等の準備に追われ、急に慌ただしくなった。「果たしてホームステイを引き受ける家庭があるだろうか。三月下旬という日本の学校では最も多忙な時期にうまく接待できるだろうか……』

ついで、師走も押しつまった頃、アイエア中から国際交流担当のアイリーン・モリワケ先生が信陵中を訪問。日程、共同文集、交歓会等の打ち合わせをし、いよいよ大詰めの段階に入った途端、湾岸戦争が激化したのである。「このままでは来日できないかもしれない」との報が入り、双方関係者の不安、失望の日が続く。しかし、国際情勢悪化の中で、国際交流への情熱は益々燃え盛り、ついに来日が決定した。この英断に私達は強烈な衝撃を受けたのである。

三月二十二日〜二十六日にかけての交歓会、バスツアー、レセプション等を通し、双方の交流が深まった。交流の成果は私達が期待していた以上のものがあり、アイエア中生徒から信陵中生徒や家庭のホスピタリティに感謝する礼状が相次いだ、その余韻が冷めやらぬうちに、信陵中渡米の話が持ち上がり、紐余曲折を経て、八月渡米が決定した。しかし、ホームステイを引き受けてくれる家庭があるのだろうか?向こうは長期の夏休みで、学校も閉鎖されると聞いている。国際電話、テレファックスが太平洋を何度も飛び交う。

八月十六日、生徒三十五名引率六名計四十一名が成田を飛び立つ。この交流を通してハワイの中学生が日本の良さを知り、日本の中学生がハワイ(アメリカ)の良さとともに日本の良さを再認識できたことは何ものにも替え難い素晴らしいできごとであった。こうした交流活動の体験が日米親善の架け橋になることを願い、英文と日本文で構成した共同文集第二集を作成した。日米双方の努力、協力そして情熱の結晶である。

ハワイ州知事室にて

ハワイ州知事室にて

3月全体交歓会ハワイプログラム

3月全体交歓会ハワイプログラム


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