教育福島0162号(1992年(H04)04月)-019page
二 食中毒予防の三原則
細菌性食中毒を予防するための三原則といわれる大切なポイントとして、
1 清潔にする食品を汚染させない。(原料・施設・器具・従事者、すべてが清潔であること。)
2 温度管理(加熱・冷却)を適切にする加熱操作で細菌を殺し、冷却操作で細菌の増殖を抑える。
3 迅速にする細菌に増殖の時間を与えない。
ということがあげられます。
以上の原則を十分に守ることで、ほとんどの食中毒は防止することができますから、常にこの原則を頭において調理業務に取り組んでいただきたいと思います。
三 衛生管理の実際
次に、学校給食における衛生管理について、具体的に要点を述べてみます。
1) 事故防止体制の整備
○学校、共同調理場にあっては、校長、所長、学校医、学校薬剤師、栄養職員、養護教諭、保健所長等を中心として衛生管理体制を整備するとともに、必ず衛生管理責任者を置くこと。
○衛生管理組織が整ったら、それぞれの係での点検項目を決定し、チェック・記録を行うこと。
2) 給食施設の衛生
○調理施設には、ねずみ、はえ等の進入防止措置を講じるとともに、発生源の除去と駆除に努めること。
○調理従事員専用の便所及び更衣室を設け、常に清潔を保ち、必要に応じ消毒を行うこと。
○調理室の給水、排水、採光、換気等の状態に常に注意すること。
○受水槽に蓄えられた水道水や井戸水等を使用している施設では、水質検査を定期的に行うこと。
○保健所の衛生監視員による衛生監視を必ず受けること。
○調理場、食品庫等の関係施設を定期的に点検すること。
3) 給食設備の衛生
○冷蔵庫は常に清潔にし、庫内温度を適正(五度以下)に保ち、食品の貯蔵方法について十分注意すること。
○調理機械・器具・食器類の衛生的取扱いに十分注意し、特に食肉・魚介・生食用野菜・果物は専用の器具を使用すること。
〇食器具類の洗浄・殺菌・乾燥を十分に行い、清潔な場所に保管すること。
○調理機械・器具類は定期的に点検すること。
〇通搬車・運搬器具は防塵対策を行い、十分な清掃を行うこと。
4) 児童生徒に対する衛生指導
○給食前には必ず流水で手を洗わせること。
○給食当番の健康状態に留意するとともに手洗いを十分に行わせ、白衣・ずきん・マスクを着用させること。また着用したままで食事をさせないこと。
○配食する時は、素手ではなく、箸や専用の手袋を使用させること。
○配食場所・給食場所の衛生状態に留意させること。
○運搬から配食までの間に異物混入のないように注意させること。
5) 調理従事員の衛生
○ 調理従事員の健康状態に常に注意し、下痢をしている者、化膿性疾患にかかっている者及びその疑いのある者を調理に従事させないこと。また、健康診断、検便を励行し、検便については、毎月一回以上実施させること。
○調理従事員の身体・衣服は常に清潔に保ち、調理及び配食に当たっては、白衣・ずきん・マスクを着用させるとともに、調理開始前、作業の切替え時、用便後等の手洗いを励行させること。
6) 給食用物資の衛生
○物資購入に当たっては、安全・良質なものを選択するとともに、内容表示や製造業者に留意し、不必要な食品添加物が使用されている食品は使用しないこと。
○購入物資の検収に当たっては、品
表2 施設別食中毒発生状況(S.56〜H.2)
表3 施設別病原性大腸菌による食中毒患者発生状況(S.56〜H.2)