教育福島0163号(1992年(H04)06月)-006page
提言
学校週5日制について
文部省初等中等教育局小学校課長
近藤信司
明治五年に学制を発布して我が国の近代教育制度を創始してから本年は百二十年にあたる。この記念すべき年に、学校週五日制が月一回ではあるが、この二学期から全国の幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び盲・聾・養護学校において導入されることになった。
日本の学校は、戦後の一時期、一部の学校で学校週五日制が実施されたことがあるが、明治以来、週六日制で教育を行ってきた。学校週五日制は、学校教育のみならず、子供の生活全体を大きく変えるものである。
学校週五日制は、子供により多くの自由な時間とゆとりのある生活をもたらすことになるとともに、家庭や地域社会において、自然体験や社会体験などの機会を増すことになり、子供の豊かな人間形成を図る上で大きな意義を持つものである。
我が国は、明治以降、欧米先進諸国に追い着くことを目指して進んできたが、科学技術や経済の面で世界の最先端に立つに至った今日、自らの手で豊かな社会における新しい文化を創造するために創造性や個性を伸ばすとともに、国際社会の発展のために積極的に貢献できる日本人を育成することが求められている。
平成元年に改訂された新学習指導要領は、このような要請を踏まえ、これからの社会の変化に主体的に対応して心豊かにたくましく生きることができる資質や能力の育成を図ることを基本的なねらいとしている。
学校週五日制を導入するに当たっては、このような新学習