教育福島0163号(1992年(H04)06月)-014page
特集1
生徒指導の充実
積極的な生徒指導の推進 −小・中学校教育−
生徒指導の充実組指して −高等学校教育−
積極的な生徒指導の推進 −小・中学校−
はじめに
福島県警の調べによれば、平成三年に県内で補導された非行少年は、三千四百五十三人で、前年に比べ百八十一人(五・〇パーセント)と減少したが、年少少年の非行が増加傾向にあるなど依然として楽観できない状況にある。(資料1参照)
本県における少年非行の特徴的な傾向は次のようである。
○刑法犯少年は、三千七十九人で、前年に比べ百二十一人(三・八パーセント)と平成元年以降連続して減少している。
しかし、触法少年(十四歳未満)はわずかであるが増加している。(資料1参照)
資料1 平成3年の少年非行〈県警本部防犯警ら部少年課調べ〉
区分・年別 平3 平2 増減 率 非行少年 刑法犯少年 犯罪少年 2,360 2,491 ▲131 ▲5.3 触法少年 719 709 10 1.4 小計 3,079 3,200 ▲121 ▲3.8 特別法犯少年 犯罪少年 329 379 ▲50 ▲13.2 触法少年 4 7 ▲3 ▲42.9 小計 333 386 ▲53 ▲13.7 ぐ犯少年 41 48 ▲7 ▲14.6 計 3,453 3,634 ▲181 ▲5.0
(注)▲は減少を示す。以下同じ
資料2 刑法犯少年の学識別構成
資料3 刑法犯少年の初発型非行
○刑法犯少年のうち、小・中.高校生の非行が全体の八〇・六パーセントを占めており、中・高校生が依然として非行の中心をなしている。(資料2参照)
○万引きや乗物盗などの初発型非行が前年に比べ百三十七人(六・一パーセント)減少したが、これらの非行で補導された少年は、二千百十七人で、刑法犯少年全体の六八・八パーセントを占めている。初発型非行は軽く見られがちであるが、本格的な非行への入り口となりやすい犯罪で憂慮される状況にある。(資料3参照)
〇乗物盗の中で自動車盗が九十七人で前年に比べ五十八人(約一四九パーセント)と大幅に増加しており、そのうち中・高校生が六十九人で全体の七一・一パーセントを占めている。重大事故につながりかねないため心配される。
○校内暴力は七件で、減少の傾向にあるが、内容的には、中学校を中心にして教師に対する暴力が多発している。
○シンナー等を乱用して補導された少年は、四年連続減少しているが依然として多発している。
このような少年非行に対して、適切に対応するためには、学校生活を正常化させ、すべての児童生徒に存在感を与え、自己を発揮させる教育活動を用意し、充実した学校生活を送らせることが大切である。
学校における生徒指導は、すべての児童生徒のそれぞれの人格のよりよい発達を目指すとともに、学校の