教育福島0163号(1992年(H04)06月)-051page

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教育・イン・ザ・ワールド

−スプリングフィールドミドルスクールの教育−

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育イン・ザ・ワールド」。今回は、平成3年度文部省若手教員海外派遣の一員として参加した山野辺藤夫先生(磐崎中)によるアメリカ教育現場の紹介です。

創造性を伸ばし、実践力を育てる教育を求めてアメリカの教育の一環にふれることができた。

先ずは、国が違い、教育制度や指導方法は異なっても同じ使命、情熱を持ち教育活動を実践している者がいることに感動した。

ホストスクールの紹介−スプリングフィールドは、オレゴン州西部のほぼ中央に位置し、産業は主に林業が中心である。スプリングフィールドミドルスクールは生徒数514名、教職員数46名、カウンセラー、司書、清掃、給食、出欠を扱う職員の多さと徹底した分業制で学級が運営されていることに驚かされた。校舎は平棟で、普通教室20、特別教室6、カフェテリア、体育館、シャワー室が備わった更衣室、フットボールができるグランド、コンピュータ室等があり、廊下には一人一人にロッカーが割り与えられている。教室や廊下の掲示物に対する教師の工夫も印象深く、ともかくも一教室で学ぶ生徒数が20名程度であり、環境にゆとりが感じられた。

授業については国民性や教育制度の違いがあり一概にどうこう言うことはできないが生徒のいろいろなアイデアがいたる所に見られ、試行錯誤しながら一つのものを創り上げて行く過程はすばらしいものがある。一見簡単に見える作業の中に探究的なもの、個性的なもの、実際に触れ工夫考案する間に初めて開花する要素が、かなり含まれているのである。私達の生活や生産活動の中には小さな創意工夫によって改善できる点が少なくない。生徒の学習活動の中でもそうした課題を取り上げ作業課題(long-term-projects)としてみるのも一案であろう。心の沸き立つような興奮と緊張を与えることができるよう努力してみたい。

授業風景

授業風景

廊下の生徒用ロッカー

廊下の生徒用ロッカー

図書室

図書室

数学専攻学級の子どもたち

数学専攻学級の子どもたち


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