教育福島0164号(1992年(H04)07月)-019page

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や職業などに関する進路情報を理解させ、自己の計画を吟味して実現しようとする態度を養う。

ウ 第三学年では、自分にふさわしい進路を選択し、具体的に決定することが中心となるが、その過程で、必要な知識を指導して自己実現が図れるようにする。また、進路をめぐり、情報が不安定になり易い時期でもあるので、実態に即した指導を進めることも大切である。

 

4 進路指導と学級担任

 

学校における進路指導が適切に行われるためには、進路指導主事を中心としながら、学級担任の識見と熱意と指導力に期待するところが極めて大きいと言える。

進路指導における学級担任の役割としては、次のようなことが考えられる。

ア 学級における進路指導の目標、方針等の設定と指導計画の充実

イ 学級活動における進路指導の作成

ウ 進路に関する各種資料、情報の収集と提供

エ 生徒の個人に関する資料及び学級全体に関する資料の収集、整理活用等

オ 生徒の能力、適性の把握と進路相談の計画実施

カ 保護者との連携及び啓蒙

 

学級担任は、担任する生徒一人一人の個性を尊重し、それぞれの家庭との連携を深めながら、変化の激しい社会の中で自己を正しく生かすことができるように適切な援助、指導を続けていくことが望まれる。

 

九 へき地・小規模校教育の充実

 

新学習指導要領の四つの基本的なねらいは、各学校の教育課程の具体的な展開の中に生かされなければならない。それは、へき地・小規模校の教育においても十分留意しなければならない。

特に今回の改訂においては、児童生徒一人一人の個性を生かす教育を推進することと、自ら学ぶ主体的な学習態度を育成することが求められている。そのためには、知識伝達型の学習指導を改め、児童生徒の側に立った学習指導を充実するなど、個に応じた指導を進めることが大切である。

へき地・小規模校においては、その趣旨を根底にして、そのおかれた特性を有効に生かした指導方法の創意工夫が一層望まれる。

 

1 特性を生かす学校・学級経営

 

(1) 特性を生かす新教育課程の展開

従来、へき地・小規模校について考える場合、そのへき遠性ゆえの生活的・交通的悪条件や、小規模校であるための学習の非能率性、学力向上への不適などマイナス面に視点がおかれる傾向があった。しかし、最近では、へき地・小規模校の少人数の特性を捉え直し、積極的に生かして教育の効果をあげていこうとする発想の転換が求められている。その視点からへき地・小規模校の特性を捉え直すと、次のようなことが挙げられる。

ア 児童生徒数が少ないために、一人一人の個に応じた指導が行いやすい。

イ 豊かな自然環境に恵まれているために、それを教材化したり、体験的活動に生かしたりすることができやすい。

ウ 地域が学校に対して期待と関心を持ち、協力的であり、学校と家庭・地域との連帯力や一体感が強い傾向にある。

したがって、へき地・小規模校においては、プラス面の特性を積極的に生かしながら指導計画の作成や指導方法等について具体的な工夫改善を図ることが大切である。

(2) 家庭、地域との連携を図る経営

へき地・小規模校においては、地域をあげて教育に取り組もうとする姿勢が強く、地域住民の学校に対する協力も得やすい傾向があるので、学校は、地域の人々に協力を求め、その知識や技術を学校教育の中で積極的に活用することが大切である。また、学校は、家庭や地域社会に積極的に働きかけ、その教育力を十分発揮されるよう配慮することが大切である。

(3) 他校との交流を図る経営

へき地・小規模校においては、各学校は小規模であっても、多くの学校が集合、合同して行事を行うことにより、一校だけではできない活動を実施することができる。近隣の学校と学校行事や宿泊訓練などを合同で行ったりする活動を通じて、学校全体が活性化し、児童生徒の社会性や表現力を育てることが期待される。

 

2 特性を生かす授業

 

(1) 少人数を踏まえた授業

へき地・小規模校は、「個に応じた指導」が具体化させやすいので、児童生徒の特性をよく把握し、それを指導に生かすことが大切である。具体的には、児童生徒の特性に応じた学習時間や学習量を調整したり、学習課題や学習コースを選択させたりする方法などが考えられる。

 

 

 


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