教育福島0164号(1992年(H04)07月)-033page
から、自然の物を上手に工夫することができ、自分たちの遊びや生活に結びつけながら自然に対する理解を深めていた。
○ 手だて3)について
友達に遊びを紹介したり一緒に遊んだりする活動を通して、自分では気付かなかった友達のすばらしい気付きや発見を知ることができた。
また、自分たちの遊びのコーナーに友達をたくさん集めるための工夫や、友達に楽しく遊んでもらうためグループ内での役割分担をさせたことにより、本時の活動のめあてが明確になり、意欲的に取り組めた。
ドングリを使って
〈ぼくらは町のたんけんたい〉(二年生)
(一) 単元を通して育てたいこと
子供たちの好奇心や探究心に基づく活動の中で、調べる、発見するといった活動、伝える、あいさつするなどの表現、伝達する活動、利用する活動を中心として進めていくことにより、主体的に活動していく喜びを味わわせたい。
(二) 単元の展開
1) 町探検の準備
情報交換から、町探検への意欲を持ち、探検隊づくり、名刺、ゼッケンづくりと子供たちの発想は次々と広がり、早く町へ出かけたいという意欲でいっぱいである。
グループ内での話し合いの仕方、作業の仕方、協力する態度などを身につけるのによい機会となった。
2) 町たんけんに出かけよう
準備ができ、店の多くある橋本地区へ、フナや水鳥のいる所へ、お祭に使うみこしの入っている建物があるという神社へ、ザリガニのいる小川へと、グループごとにそれぞれの探検のめあてに向かって出発した。
探検の中で、店の人におそるおそる話しかけたり、近くの畑で仕事をしている農家の人に道を教えてもらったり、また、友達同士が協力してザリガニとりに熱中したりと、様々な経験をして学校へ戻ってきた。
3) たんけんマップを作ろう
町に飛び出し、おもいっきり活動し、見つけてきたことを、子供たちは誰かに教えたいという意欲にあふれていた。発表会に向けての方法を考え、その準備に自然に取り組んでいく姿が見られた。自分で発見したこと、手に入れてきたことを自慢気に、そして大事そうに白地図にはったり、「たんけん新聞」としてみんなに知らせたり、最後までこだわりをもって活動できた。
(三) 考察
○ 町探検は、子供たちの願いを中心に取り上げながら展開してきたため、主体的に活動する姿が見られ、更に次へ働きかけていこうという積極的な態度へ結びついていった。
○ 自分たちが住んでいる町へ飛び出し、進んで働きかけることにより、人々への接し方を身につけたり、人々の温かさに直接触れたりすることができた。また、伸び伸びと楽しそうに活動している中で、子供たちだけの行動ということから、互いに協力し、決断していくという経験も味わうことができ、自信につながっていった。
○ 自分が体験したことや見つけたことを「たんけんマップ」にかきこんだり、「たんけん新聞」を作って発表したりすることにより、互いに情報交換ができ、満足感を味わうことができた。
三 研究の成果
(一) 具体的な活動や体験を通して授業に取り組む児童の姿に意欲が見られ、自主的に活動するようになってきた。また、初めて経験することでも失敗を恐れず自分の力で挑戦するようになってきた。
(二) 児童の興味、関心や願いにそった様々なグループ活動を大切にすることにより、主体的な活動が生まれ、協力して取り組みながら友達の良さを認め合う姿が見られた。
(三) 身近な材料の収集に努め、それらを工夫しながら活用していこうとする態度が身についてきた。
(四) 生活科に関する諸計画の見直しや「なかよし広場」づくりなど環境整備の作業を通し、全職員の協力を得ることができ、共通理解が図れた。
四 今後の課題
(一) 一人一人の児童のよさを認め、児童に意欲や自信を持たせられるような教師の援助、助言の在り方、並びに評価の方法を考えていく。
(二) 児童の発達段階を考え、幼稚園で経験する遊びから小学校での生活科の学習へのつながりをどうとらえていくか考えていく。
ザリガニとり