教育福島0164号(1992年(H04)07月)-032page
研究実践
特集 学校教育の推進
豊かな体験を通し、生きる力の基礎を自ら築いていく児童を育てるには、どうすればよいか
会津若松市立神指小学校
一 主題のとらえ方
(一) 「豊かな体験」とは
1) 全身で生き生きと働きかけようとする活動
2) 自ら工夫しようとする活動
3) 友達と一緒に取り組もうとする活動
4) 地域に根ざした活動
(二) 「生きる力の基礎」とは
1) 集団生活ができるようになる。
2) 自分のことは自分でできるようになる。
3) 自分の考えや意見が述べられる。
4) 身近な社会や自然の事柄に関心を持ち、生きる主体として積極的に働きかけることができる。
二 授業の実際
〈あきとあそぼう〉(一年生)
(一) 授業テーマ
「身近な自然と触れ合う活動を通して、遊びを工夫する楽しさや、季節の変化を感じ取る授業」
(二) 手だて
1) 日常生活の身近な場面で秋を探したり、見つけた秋を集めたり、秋の素材を使って遊んだりするなどの豊かな体験を通し、意欲的に学習に取り組ませる。
2) 秋の自然に全身で生き生きと働きかける過程を通して、自分とのかかわりで自然をとらえさせる。
3) 自分なりの工夫や気付きを集団の中に広めることにより、集団の中の自分の存在や良さに気づかせる。
(三) 予想される本時の活動展開(表)
(四) 考察
○ 手だて1)について
ドングリでおもちゃやこまを作って遊ぶ、木の葉や木の実で作った洋服や冠を身につけて踊る、ヤツデのくきとオナモミを利用して作った釣りざおで木の葉の魚を釣る、何種類もの木の葉や木の実で楽しいお面を作るなど、児童の発想を生かした様々な遊びを友達に紹介したり、一緒に遊んだりする体験を通して、自分たちの遊びを自慢したいという気持ちを満足させることができ、生き生きと活動することができた。
○ 手だて2)について
自分たちの身の回りにある自然に関心を持ち、自然を利用して遊ぶ物を作ったり、身近にある物を使って遊びに必要な道具を作ったりする過程を通して、ドングリに穴をあける技能や、ダンボールをいくつも組み合わせてはりつける技能などを身につけていった。また、具体的な遊び
予想される本時の活動展開