教育福島0165号(1992年(H04)09月)-006page

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提言

“生きがい”を刺激する授業を

福島県中学校長会会長

服部秀文

 

教育を考える上の原点と思っておりますので、あえて申し述べることにします。

 

冒頭から末期重病患者の事例を出して、はなはだ不遜ですが、彼等の表わす生きがいは教育を考える上の原点と思っておりますので、あえて申し述べることにします。

末期の患者は、手足が動かせる間は、ベッドで絵をかくとか編み物をするとか何かを創ることに生きがいを感じているといいます。

しかし、手足が自由に動かなくなるとステレオで音楽の美しさにひたることによって、生きがいを感じるようになり、その音楽を、聞くのが疲れるようになると、医師や看護婦の人々に思いやりの気配りをして何か人の役に立とうとするそうです。

この創造すること、美しいものに感動すること、人の役に立とうとすることは生命のぎりぎりの点で示す人間の本性であり、「生きがい」の原点であるという仮説を立てますと、この心を刺激することが万人の生きがいをつくり、意欲的に生活する原動力になると考えられます。したがって、授業では

一、創造したい、何かを創り出したい気持ちを刺激する授業を構成すること

子どもたちが何かを作っているときの生き生きとした姿は語るに及ぶまい。この授業を構成する教師も新しい教材をつくることに生きがいを感じ、充実感を味わえると思います。

二、美しいものに感動する気持ちを刺激する授業を構成すること

現代の子どもは無感動だといいます。本当にそうでしょ

 

 

 


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