教育福島0165号(1992年(H04)09月)-034page

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「情報源」、「グループ等」が四十%を超えている。「どの範囲の情報が必要か。」との問いには、県域以上が三分の一を占め、市町村域以上では八十%を超える高い割合となっており、学習活動範囲が広くなっていることが伺える。

また「コンピュータを利用した学習情報提供システムに対して何を期待しますか。」の問いに対しては、「多様な情報性」と「容易な検索」が高い割合を占めており、「県で考えている『生涯学習情報提供システム』ができた場合、あなたは利用して情報を得たいと思いますか。」の問いには、「内容によって利用する」という答えが、三分の二を占めるなど、いかに魅力ある情報を収集するかが大きな課題として、浮かび上がっている。

以上の調査結果からは、現状では県民が十分に学習情報を得ているとはいえず、生涯学習情報提供システムへの期待が現れている。

また、県民の要望が高かった、学習機会情報、施設情報、指導者情報、団体・グループ情報等を一層充実し、より多様な情報の提供が望まれていることがわかった。

 

五 データベース化する学習情報の種類と内容

文部省から、生涯学習情報の種類と様式の標準化が示されているがそれによると、各県の情報提供システム間相互に情報の交換等ができるよう、(1)学習機会、(2)施設、(3)団体・グループ、(4)指導者、(5)教材、(6)各種資格等の六情報を示している。

本県は、この考え方を基本とし、さらに他県の事例等を考慮して独自に三情報を加え、表2に示した九情報を考えており、「生涯学習データバンク・情報提供事業」で「生涯学習ガイドブック」として発行したものを踏まえ、平成四年度及び五年度の二か年で情報を収集し、データベースを構築する計画で事業を進めています。

 

六 市町村が実施する事業

事業を実施するにあたっては、公民館、図書館、視聴覚センター、教育委員会などの既存の施設の中から、地域の実情に即して、地域における生涯学習情報の提供や学習相談のための拠点となる地域生涯学習情報センターを定めるなど、効率的な事業の実施に努めることとして

1 生涯学習情報の収集・整理

(1)生活学習情報センターは、市町村内の生涯学習情報を収集・整理し、県域の生涯学習情報データベースの作成に協力すること

(2) 生涯学習情報センターがもつ生涯学習情報データベースを利用して、地域固有の情報を中心とした地域の生涯学習情報データベースの作成に努めること

2 住民への生涯学習情報提供、学習相談事業の実施

(1) 地域の生涯学習情報データベースあるいはネットワークされた県域の生涯学習情報データベースを活用して、住民への生涯学習情報提供を行い、住民の自主的な学習活動を支援するよう努めること

(2) 学習相談は、住民の学習計画の作成や学習上の悩みなどについて助言・援助し、学習を側面から支援するよう配慮すること

(3) 学習相談の方法は、面接、電話又は郵便など実情に応じ適切な方法で実施すること

(4) 学習相談員には、社会教育主事の経験者、社会教育指導員、社会教育活動の指導者やボランテイアなど適切な助言を与えられる人材を起用すること

3 生涯学習ガイドブックの作成

生涯学習情報センター等の生涯学習情報データベースを活用して、指導者や関係機関・団体等が生涯学習を推進する上で必要な生涯学習情報を掲載した資料集(生涯学習ガイドブック)を作成、配付し地域における生涯学習の振興に資するよう努めること

 

七 市町村とのネットワーク

当面、平成三年度より三か年計画で市町村とのネットワークの拡大を図っている。

1 平成三年度

既に教育委員会または公民館等にパソコンを導入している市町村の中から、希望する次の八市町村と文部省補助事業により、通信機器(通信用ソフト、モデム)を購入し、試行データベースとパソコン通信の試行を実施した。

飯野町、白沢村、須賀川市、白河市、西郷村、会津高田町、南郷村、飯館村

2 平成四年度

(1) 補助事業導入

文部省補助事業により、パソコン及び通信機器等を導入し、ネットワークに参加する市町村は、次の十七市町村(うち二村が継続)である。

福島市、川俣町、霊山町、月舘町、小野町、矢吹町、西郷村、中島村、鮫川村、猪苗代町、田島町、伊南村、新地町、飯館村、葛尾村、広野町、いわき市

(2) 自主導入

喜多方広域市町村圏七市町村(一市三町三村)が、パソコンをリースで導入し、ネットワークに参加

以上、平成三年度・四年度で県内

 

 

 


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