教育福島0166号(1992年(H04)10月)-040page
−教育ひと口メモ−
複式学級
義務教育課
複式学級というのは、その学校の一学年の人数が少ないために、二つの学年で一学級を編制して、教育活動を営む学級のことです。
学年の編制の仕方によって、順則複式学級(例えば、小学校三・四年等)と、変則複式学級(例えば、小学校二・三年等)に分けられます。
1、複式学級の二つの教科指導
複式学級での教科指導は、主に学年別指導と同単元指導とに分けることができます。どちらの方法にするかは、学校や地域の実態、教科の特質、指導方法の長所・短所、教師の指導力などを考慮して決めることが大切です。
本県の場合は、学年別指導が大部分ですが、今後、同単元指導の在り方についても積極的な研究が望まれます。
年間の指導計画も、学年別指導にするか、同単元指導にするかによって大きく異なってきます。表1は、その指導計画の類型です。
表2は、国語の三・四学年の同単元同教材指導の展開例です。三年生の教科書教材を取り扱う際には、四年生の指導事項への配慮が必要です。
2、学年別指導の工夫
(1) 「ずらし」
学年別指導を行う際には、直接指導と間接指導とを交互に充実したものにすることが大切です。下の図は、指導過程における段階ごとの「ずらし」の例です。デッドタイムが少なく「異内容・異程度」で進める教科で効果的です。
(2) 「わたり」
二つの学年を、一人の教師が同じ時間に指導しますので、教師は両学年に交互に移動して直接指導をすることになります。この教師の移動のことを右の図のように「わたり」といいます。
どちらの学年を先に直接指導するかは、レディネスの状況で決まりますが、一般的には、上の図のように下学年が先です。
表1
表2 学習指導の展開例 教材 白いぼうし