教育福島0167号(1992年(H04)11月)-051page

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教育・イン・ザ・ワールド

−国際交流の輪を広げていく担い手の育成をめざして−

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」。今回は、在留外国人との交流事業を積極的に推進する棚倉町で開催された「ジュニア・サミット」の様子を、棚倉高校からのリポートで紹介します。

去る10月11日、「第3回福島国際交流月間」の協賛事業の一環として、「ジュニア・サミット」が棚倉小学校体育館を会場に開催された。

「僕たち、私たちが考える国際交流」をテーマに、コーディネーターは棚倉町活性化協会の田子栄事務局長、パネリストとして、県南地区の中学、高校生でホームステイの経験をもつ7名が参加。ゲストには、豪州から町活性化協会に派遣されているマルコム・マクファーレン氏と棚倉中学校に留学中のレベッカ・ルイス嬢が迎えられた。

最初に、武藤誠理棚倉町教育長が「国際交流とは」の演題で、相互理解の大切さを強調した基調講演を行った。サミット本番は、二本の柱が立てられ進められた。「日本人と外国人との接し方」では、異文化からくる違和感をどう克服するか。また、「世界の中の日本」では、世界は日本をどう見ているか。この二点について、パネリストが体験した外国での生活やゲストの日本での生活をもとに活発な意見の交換が行われ、相互依存の大切さを確認して盛会のうちに閉幕した。

棚倉町は、昭和63年以降、国際交流活動を積極的に推進し、町内の各小中学校は豪州の学校と姉妹校を締結した。国際交流の将来の担い手を育成することを目的として、毎年交互に往来して交流を図り、一層の理解と親交を深めている。

本年7月には、豪州からアラン・ピアード州文部次官、ベルモントハイスクールのテリー・スマイス校長らが棚倉高等学校を訪れ、両校の念願であった姉妹校の締結がなされた。翌8月には、交互調印式のため、棚倉高等学校の教諭と生徒が豪州へ渡った。生徒は、ホームステイを通して外国人のものの考え方や生活習慣を体得すると同時に、日本の文化や生活習慣を再認識したようである。

今回の「ジュニア・サミット」をふりかえり、またこうした生徒の外国での体験を思うにつけ、この小さな大使たちの体験が周囲にたくさんの種子を播き、国際交流の輪を広げていく担い手になることに明るい展望を見いだすことができた。

ジュニア・サミットにて(棚倉小体育館)

ジュニア・サミットにて(棚倉小体育館)

トラリア・ハイカーディアスクールの生徒たちを交えての書道の授業(棚倉高校)

オーストラリア・ハイカーディアスクールの生徒たちを交えての書道の授業(棚倉高校)


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