教育福島0168号(1993年(H05)01月)-031page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

二 研究仮説

 

(一) 基本仮説

学級における指導計画に基づき、道徳の時間の指導を充実し、体験の場で援助・指導を行なえば、自ら考え・判断し・行動する生徒を育てることができるだろう。

(1) 道徳の時間の指導の充実とは

1) 実態をとらえ、学級における指導計画を作成する。

2) 三十五時間の指導案を作成し、道徳の時間を大切にする。

3) 自作郷土資料の利用、視聴覚資料の活用、役割演技や話合いを取り入れ指導方法を工夫する。

4) 生徒指導の機能を生かす。

(2) 体験の場での援助・指導とは

1) 生徒会活動・部活動・校内文化祭・ボランティア活動・進路の選択などの体験の場と道徳の時間の指導との関連を図り、実践を援助指導し、その実践記録をとる。

2) 体験の場に生徒指導の機能を位置づけるとともにカウンセリングマインドに努める。

3) 地域の人材を活用したり、家族に道徳の時間の内容について知らせるなど、家庭や地域社会との連携を図る。

(二) 作業仮説

もし、基本仮説が正しいとすれば、生徒が自ら考え、判断し、行動するようになったとき、(資料1)のような行動をするようになるはずである。

 

三 検証計画 (資料2)

 

資料2 作業仮説と検証方法

 

四 研究結果

 

四 研究結果

 

(一) 学校における指導計画(資料3)

道徳教育の全体計画・年間指導計画・学年経営計画を基に作成した。

(1) 側体験的活動を「校則を自ら守る校風の樹立」「燃えよ中体連」「夢まつり自らの手で」「地域の文化・伝統を受け継ぐ」「自らの生き方を求めて」に絞り、実践に必要な道徳的価値を明確にした。

(2) 体験的活動と道徳の時間の指導との関連を明らかにした。

(3) 重点項目の指導時数を増やし、教育目標の具現化を図った。

(4) 多方面からの資料を利用した。

(二) 学級における指導計画に基づいた実践

「自らの生き方を求めて」の実践

三年生にとって一番重大なことはもちろん進路決定である。年度当初から進路にしっかりと目を向け、希望をもって毎日の生活や学習に意欲的に取り組ませなければならない。進路への心構えをつくるため、計画的に道徳の授業を行った。授業では自らの生き方を求め、生きぬいた人物を紹介し、その生き方を学ばせた。五月には、「山にかけた青春1の(2)」七月には「塩狩峠3の(3)」と「こまくさの群生3の(1)」について実践した。「こまくさの群生」は尾瀬の保護のために生きた平野長英の生き方を描いた自作資料である。「自分のためになった。とてもすばらしい人で勇気が出た。(二十四生徒)」「尾瀬を守り続けてきた長英さんにありがとうを言いたい。こんな人がいたことが分かって本当によかった。(十八)」と感想を述べている。十八と二十四生徒は運動の得意な生徒であるが、この特性を生かす進路を目指している。十月には「星空の狩人1の(4)」で、逆境から不屈の意志で立ち上がった関勉の生き方に学んだ。十二月には「エベレスト山頂にて1の(5)」

 

自分で選んだ問題について小集団の話し合いで考えを深め合う

自分で選んだ問題について小集団の話し合いで考えを深め合う

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。