教育福島0168号(1993年(H05)01月)-045page

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視点 2 「アイディア集」例示

個の特性をとらえ、生かす内容・方法を明確にすること。

それには2-1

教職員間の共通理解を図ったうえで、「個を生かす」ための内容・方法を学年・学級経営等に位置付ける。

そのために 2-1-1

教師と児童生徒、児童生徒相互の心の触れ合いを大切にし、望ましい人間関係を築く場を位置付ける。

そこで

1 帰りの会において、生活班・学習班、グループの中で一人一人のよかった行動や気付いたことを発表させる。

2 地道に努力している児童生徒を学級新聞等で紹介する。

3 話し合う機会を多くするために、昼食の時間の活用を工夫する。教師が順に児童生徒と食事を共にするための会食風の場を設定する。

4 朝の会や帰りの会に、自己紹介や相互紹介等の機会を設ける。

5 教師と児童生徒の交流の輪を広げるために、教師と児童生徒が共にゲームをしたり遊んだりする時間を一日の時程の中に位置付ける。

6 奉仕活動や部活動の場を巡回訪問し、参加態度や意欲等の情意面でのよい点を認め、賞賛する。

7 生活の様子をよく観察し、その子だけに通じることばかけや手紙による励まし、電話による励まし、相談を計画的に実施する。

留意点

1-1 回数が増すごとに視点が広くなり、発表できるようになるので毎日継続して実施する。

2 教師は発表に対し認め・励ますようにする。

2-1 偏りのないようにする。そのためにも情報収集に努める。

4-1 相互紹介は組み合わせを替える等して継続して実施する。その子の持つよさに着目した紹介にする。

5-1 児童生徒との触れ合いの機会を多くするように努める。

6-1 活動の場だけでなく、朝の会や帰りの会を利用して級友の前でも行うようにする。

7-1 「おはよう」等のあいさつは欠かせないが、その子だけに通じる「妹さん、風邪治った?」類のことばをかける。

 

【アイディア集の構成】

視点

・「個を生かす学年・学級経営」に導くための視点で四つある。

それには

・各視点にアプローチするためには、それぞれの視点に対し「それには」どうすればよいかをまとめた。

そのために

・「それには」を分析し、内容・方法、努力点等充実策を「そのためには」どうすればよいかとしてまとめた。

そこで

・「そのために」を可能にする具体的な指導・活動事例を収集・開発し「そこで」としてまとめた。

 

これを参考に、意図的計画的に指導・援助したり活動させたりすれば、個性豊かな児童生徒の育成につながるとの見通しの基に研究協力校に実践をお願いした。

(2) 個性を生かす「アイディア集」

研究協力校において「個を生かす学年・学級経営アイディア集」のいくつかの項目について実践した。その結果は、次のとおりである。

○事例が多く留意事項も明確で利用しやすい。

○教師が見方・考え方を少し変えることによってどの学校でもすぐ実践できる。

○一つの内容・方法、活動の中に、「個を生かす」視点が複数入っている。

○教師の「個を生かす」視点の広がりと意識の変容が見られる。

○教師が気付き、考え、行動するための具体的な資料としての価値がある。

 

五 第三年次の研究(平成四年度)

 

これまでの調査、研究、実践を基に研究協力校における実践を通して個を生かす様相の本質にせまれるように、次の(1)、(2)についてまとめる計画である。

(1) 学級担任が「個を生かす学年・学級経営アイディア集」を「個を生かす指針」として利用・活用しやすいようにコンパクトにまとめ「アイディア集一日編」を作成する。

(2) 「特性・よさ」を見いだす方法を研究・開発する。次の「きいてねカード」は一例である。こうした手法をいくつか開発する。

 

きいてねカード

 

 

 

 


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