教育福島0168号(1993年(H05)01月)-051page

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−10才で進路がある程度決定するマイスターの国ドイツ−

−10才で進路がある程度決定するマイスターの国ドイツ−

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」。今回は、文部省海外教育視察福島県団の一員としてヨーロッパを訪問してこられた菅田健夫(福島東高)先生によるドイツ教育事情の紹介です。

平成4年11月6日から16日間、小中高合わせて24名の職員が文部省海外教育視察福島県団としてヨーロッパ4ヶ国を訪問しました。各国で友好的な歓迎を受け、国際親善の役割も果たせました。その中で、ドイツの教育事情について紹介します。

ドイツでは、教育行政は州の権限になっており、法律の範囲内で各州それぞれの学校制度や教育課程を持っています。私たちが訪問したバイエルン州では、6〜10才までの基礎学校を終えると、概ね学校の内申書に基づき、実務、総合、学術、いずれかのコースの中等教育を受けます。前者2つからは、さらに職業学校に進みます。この18才までの教育が義務教育で、この後で大学に進む大半の者は、学術コース(ギムナジウム)からです。

10才位で自分の進路がある程度決定される厳しいて現実を感じましたが、どの学校の子供も明るく、伸び伸びとしていました。ドイツに学習塾はなく、不登校の生徒もいないてとのことです。また、自主性と個性の伸長を重視してい喝教育は、1クラス20数人の学級編成にも表れていました。

学校週休2日制が定着して20年近く、週末は家族と過ごすことが多いようで、校外生活に関しては学校はノータッチ、休日の部活動もなしです。さて、マイスター(職人)の国であるドイツは、職業教育を充実しています。就職するためには、その職種の資格が必要で、訪問した州立職業学校には、この地方で唯一のコック養成コースがありました。レストランからの引合いても多いそうです。

ドイツは現在、旧東西の格差、多くの難民の受入れ等問題を抱えています。訪問した基礎学校には移民の子女のクラスがあり、筆談も交えての工作の授業をみてそれを実感しました。

州立職業学校におけるコック養成コースの授業を参観

州立職業学校におけるコック養成コースの授業を参観

基礎学校4年生の音楽の授業の様子

基礎学校4年生の音楽の授業の様子

カラフルな体操着で器械体操の時間

カラフルな体操着で器械体操の時間


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