教育福島0168号(1993年(H05)01月)-050page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

教育福島0168号(1993年(H05)01月)-050page


ふるさと探訪

県指定天然記念物(植物)

県指定天然記念物(植物)

達沢大山祇神社社叢(たつさわおおやまずみじんじゃしゃそう)

所在地 猪苗代町大字蚕養字大達沢

所有者 猪苗代町吾妻財産区

猪苗代町達沢は、猪苗代湖の北東にそびえる大滝山山群の山懐に抱かれた、木地師集落の伝統を持つ山里です。集落のすぐ東に、鎮守の大山祇神社があり、その奥標高およそ八百メートル、面積二へクタールほどの一帯に「原生林」と呼ばれるみごとな自然林が、広がっています。

この林の優占種はコナラとミズナラで、いずれも目通り幹囲二・五メートル以上、樹高は二〇メートルを越す大木です。その他、アカマツの大木や、トチノキ、ハリギリ、ミズメ、イタカエデ、コメツガなどもみられ、この社叢は、わが国の森林帯についての論議には欠かせない、学術上貴重な自然林です。

県指定天然記念物(地質鉱物)

県指定天然記念物(地質鉱物)

梁川町産パレオパラドキシア化石

所在地 会津若松市城東町一番二五号   福島県立博物館

所有者 福島県

昭和五十九年(一九八四)八月に発見、発掘されたパレオパラドキシア(古代の謎の動物)の骨格化石は、体長約ニメートルで、伊達郡梁川町字上川原地内の広瀬川河床に露出する新第三紀中新世中期初め(約一六〇〇万年前)の広瀬川砂岩部層(梁川層の最下位の部層)から産したものです。

骨格化石は、頭蓋骨・下顎骨・頸椎・肋骨・脊椎・胸椎・腰椎・尾椎・骨盤・大腿骨などのほか、二二点の歯化石もみいだされており、前足と後足のスネより先の部分を欠くだけで、よく保存されています。

この化石は、骨格がほぼ完全に残うているものとしては、世界で五体目という大変貴重なものです。

なお、今回探訪した二つの県指定天然記念物は、いずれも、平成四年三月二十四日付けで指定されたものです。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。