教育福島0169号(1993年(H05)02月)-014page

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(一) 「所報 養護教育」を年三回発行し、各種事業内容、養護教育に関する研究、講義録、研修者の声、最新情報等を紹介します。

(二) 心身障害児ハンドブックを年次計画により発行しています。五年度は、「からだの不自由な子」を予定しています。

これらの発行物は、県内盲・聾・養護学校をはじめ、幼稚園、小学校及び県内外の関係機関等へ配布しています。個人でもお求めになれますので、お問い合わせください。

 

五、図書資料の収集・提供事業

 

養護教育関係図書及び資料の収集に努め、関係教職員、保護者等が積極的に活用できるよう、整備充実を図っています。

(一) 蔵書数は五千余冊あります。遂次刊行誌は、三三種類を購入しています。所内外で利用できます。

(二) 各県の特殊教育センター等の刊行物、研究紀要等も収集しています。

(三) 心理検査実技等のVTRも利用できます。

図書・資科等に関するお問い合わせは、来所または、電話等で行ってください。

教職員の資質の向上を目指して行われる研修講座の中での、専門研修講座の主なものを紹介します。

●心身障害幼児教育研修講座

受講の対象者は、国公私立を問わず幼稚園・保育所教職員の方、保健所の保健婦さん、聾学校の幼稚部の教員と多岐に渡っています。そのため、いろいろな角度から意見や質問が飛びかい、活気に満ちた研修講座です。全国的にも余り例がなく、特異な研修です。

毎年、夏休み中に二班編成で行われますが、暑さにめげず皆一生懸命に講座に耳を傾け、実技に熱中して取り組んでいます。

●心理検査実技研修講座

受講の対象者は、小・中学校及び盲・聾・養学校の教員です。

五年度の講義と実技は、SIM社会生活能力検査の実施法、描画法検査の種類と実施法、田中ビネーの実施法・採点法・診断法を予定しています。

各学校において、適正な検査を実施したいという願いから、受講希望者が年々増加しています。

●養護教育教材・教具実技研修講座

五年度新設の研修講座です。受講対象者は、小・中学校の特殊学級担任、盲・聾・養護学校の教員です。

教材・教具の工夫と活用は、子ども一人一人の興味・関心の的確な把握と教師の豊かな発想と技術・技能が伴って可能になります。また、教材・教具は障害のある子どもにとって教科書であり、教師との学習の掛け橋にもなります。

主な内容は、紙工芸、木工芸を中心にした教材・教具の開発と工夫に焦点を当てた実技と、それにコンピュータの活用を目指した操作の実際とハードウエアの工夫と改良を予定しています。

●コミュニケーション障害教育研修講座

受講対象者は、小・中学校及び盲・聾・養護学校の教員です。

最近、コミュニケーションのとらえかたが変わりつつあります。これは「コミュニケーション」を「関係」の問題として考えようという視点に立っているものです。そこで、最近の研究成果を聞ける講師を迎えようと準備に当たっています。

この研修講座の目玉は、何といっても「よい人間関係を作るために」と題したロールプレイングです。二人組、三人組になり、問題行動のある児童生徒になったり、障害児を抱える保護者になったり、と役割を替えてカウンセリングの体験をするものです。例年、三時間という時間が短く感じるほど真に迫る演技が行われ、受講者には好評のプログラムです。

また、現にことばに何等かの障害がある児童生徒を担任している方にとっては、「ことばの検査の実際」という講義・演習は、すぐにも役に立つものになると思います。

●情緒障害教育研修講座

受講対象者は、小・中学校及び盲・聾・養護学校の教員です。

当センターにおける教育相談で、情緒障害に関する主訴で来所する児童生徒が一番大きい割合を占めています。主な例は、自閉症、チック、かん黙、LD(学習障害)、そして、登校拒否です。

情緒に障害がある子どもたちの在籍は、通常の学級はもちろん、盲・聾・養護学校全般に渡っています。

県内では、情緒障害学級の数が少ないという現状から、通常の学級で担任が一人一人の実態を把握し、それに留意して指導するということを求められています。

したがって講義は明日からの実践に役立ち、かつ、現実に即したものとして、医学の面から、心理学の面から、そして教育の面から研究と実践に直接関わっている第一人者にお願いしています。

また、実技として、不安軽減の技法である「自律訓練法」を実施する予定です。

 

 

 


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