教育福島0169号(1993年(H05)02月)-039page

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教育・イン・ザ・ワールド

−自立と尊厳に満ちた英国個人主義を見る−

−自立と尊厳に満ちた英国個人主義を見る−

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」。今回は、英語担当教員海外研修派遣で平成3年4月から1年間英国に滞在された渡部勢津子先生(県立湯本高校)による英国教育事情の紹介です。

滞在中、大学の紹介で4校を訪問する機会に恵まれ、その多様な学校運営に驚きました。しかし、4校には共通点も多く、教師独自の教科書選択、授業運営、指導方法や、少人数クラスでの個別指導中心の活発な学習活動など、創意工夫をこらした手作りの授業の中に、自立と尊厳に満ちた英国個人主義を垣間見たような気がしました。以下我が国では見られない・特色ある2校について紹介します。

シティテクノロジーカレッジ

(City Technology College Kingshurst)

ここは、保守党政府教育改革の流れの中で、1988年、企業がスポンサーになり、科学技術教育推進を目的に、市街部のH〜18歳の年齢層を対象に創られた学校です。財源は政府資金と金業寄付金で賄い、学校経営はすべて校長に任され、その施設は他と比べて格段に立派で機能的に作られていま

す。このような恵まれた環境の中での授業風景は、生徒も教師も表情は明るく活気があり、一般科目のほかに情報技術革新時代に対応したコンピュータの授業や日本語(選択)の授業もありました。授業が早朝に始まるせいか、10時頃に生徒と教師が]緒に食堂で朝食をとっている場に出くわしました。

ジョセフチェンバレンシックススフォームカレッジ

(Joseph Chamberlain Sixth Form College)

ここでは、義務教育を卒業した16歳以上を対象に、大学入試準備コースやビジネスの実務コースなど多様なカリキュラムが組まれてます。構内には、生涯学習の一環として学んでいる成人の姿も見られます。授業は芸術に関する科目も充実しており、特にドラマ(演劇)の授業は自己表現力を養うため選択するものが多く、熱気と迫力を感じました。卒業生にはプロの劇団員もいてるとのことで、さすが、シェイクスピアの国だと感心しました。生徒は、90%がアジア、アフリカ、アラブ系

の移民であり、彼らは民族の誇りを大切にし、英語だけでなく母国語も日常的に話すことから、選択外国語も10ヵ国語程ありました。

▲シティテクソロジーカレッジのスポンサー企業一覧

▲シティテクソロジーカレッジのスポンサー企業一覧

▲CTCの授業風景

▲CTCの授業風景

▲ジョセフチェンバレン ドラマの授業で

▲ジョセフチェンバレン ドラマの授業で

▲ダンスの授業風景

▲ダンスの授業風景


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