教育福島0172号(1993年(H05)07月)-010page

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特集 学校教育の推進

 

"新世紀ふくしま″を担う

人材育成のための学校教育の充実

義務教育課

 

はじめに

 

現在の社会は、科学技術の進歩と経済の発展が急速に進み、私達の生活の中に物質的な豊かさを与えている。しかし一方では、都市化、情報化、国際化がかつてない勢いで広がりをみせている。また、高学歴化、核家族化、高齢化、少子化も、一層進み、価値観も多様化するなど、時代が大きく変ぼうしている。これらの社会の変化は、子供たちの生活や意識のうえにも多大の影響を及ぼしており、今後ますます拡大していくことが確実視されている。

このような時代認識に立って、教育課程審議会は、新しい時代の教育課程の基準の改善のねらいとして、

1 豊かな心をもち、たくましく生きる人間の育成を図ること。

2 自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を重視すること。

3 国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ること。

4 国際理解を深め、我が国の文化と伝統を尊重する態度の育成を重視すること。

を答申した。

この答申を受けて、新幼稚園教育要領及び小・中学校の新学習指導要領が、平成元年三月十五日に告示された。新学習指導要領は、これからの社会とそれに伴う幼児・児童生徒の生活や意識の変容に配慮しつつ、生涯学習の基礎を培うという観点に立ち、二十一世紀を目指し社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成を図ることを基本的なねらいとしている。

本県おいては、平成五年度の重点施策に″二十一世紀を担う心豊かでたくましい児童生徒の育成″を受けて、本県小・中学校教育の実情と新学習指導要領の趣旨を踏まえて、

1) 教育内容・方法の改善充実

2) 道徳教育・環境教育の充実

3) 生徒指導・進路指導の充実

4) 健康教育と学校教育の充実

5) 教職員の指導力の向上

の五項目の重点施策を設定した。

これらの施策を円滑に実施し、本県学校教育の一層の充実発展を図るために、従来の学校教育の在り方を見直し、新しい教育の流れを主体的に受けとめ、積極的に展開しなければならない。そのためには、以下に示す内容について理解を深め、自校の実態に即して、改善の方途を講じていく必要がある。

 

1 心の教育の充実

 

社会の変化に主体的に対応できる能力や、人間としての生き方・在り方についての自覚を高め、豊かな心をもち、たくましく生きる人間を育成することは、時代の要請である。

そのためには、児童生徒の実態等を十分把握し、道徳の時間の指導を中心に各教材、特別活動の指導を強化する努力が期待されている。

今回の改訂において、道徳教育では次の点が強調された。

(1) 道徳内容の構成

道徳内容の再構成に当たっては、その見通しの視点として、次の四点を挙げ、内容の再構成をした。

1) 主として自分自身に関すること

2) 主として他人とのかかわりに関すること

3) 主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること

4) 主として集団や社会とのかかわりに関すること

(2) 道徳の内容の重点化

重点化に関しては、小学校低学年では、しつけなどの基本的な生活習慣、中学年では日常の社会規範を守る態度、高学年では、公徳を守り公共に尽くそうとする態度を、また、中学校においては、人間としての生き方の自覚などに留意して、小学校

 

 

 


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