教育福島0172号(1993年(H05)07月)-032page
を一層充実させることが重要である。
1 研修体制の整備・充実
校内研修が学校の活性化と教師と職能成長の両面においてきわめて重要であることを認識し、校内研修の体制を整備・充実していくことが大切である。
(1) 校長、教頭、主任等がそれぞれの職責に応じて、新しい教育を推進するためのリーダーシップを発揮すること。
(2) 教職員一人一人の役割分担を明確にし、全教職員による組織的な研修を推進すること。
(3) 校務分掌との関連を図りながら、活動しやすい研修組織にすること。
(4) 教職員一人一人の特性を生かした組織を工夫すること。
2 研修内容の検討・改善
研修内容は、自校の教育課題に焦点をあて、その解決を図ることを原則とする。全教職員の参加により組織的に実践できるよう改善することが大切である。
(1) 自校の研究課題解決・改善のための共通主題を設定し、日常の実践を通して解明できるものとすること。
(2) 児童生徒の実態・教職員の切実な課題意識を基にした授業についての研究を中心にすること。
(3) 学習指導要領の趣旨の実現のため、新しい学力観に基づく学習指導と児童生徒一人一人のよさや可能性を生かす教育へと質的改善が図れる研修内容にすること。
3 研修評価の改善
児童生徒及び教職員にどのような変容が見られたかの結果の評価と、研修改善の評価が大切である。
(1) 研修内容はどうであったか。
○自校の教育目標の具現と当面の課題解決に役立つものであったか。
○教職員一人一人の切実な課題を取り上げ、実践可能なものであったか。
(2) 組織と運営はどうであったか。
○他の組織との関連を図り効果的に運営されたか、今後はどうか。
○ 研究意欲を高めるための意識化や協働化を図る組織として運営がなされたか、今後はどうか。
(3) 研究の成果と今後の課題が明確にされ、継続化が図られるか。
(4) 研究成果が、児童生徒の望ましい変容となってあらわれ、毎日の教育活動に生かされているか。
4 研修時間の確保
校内研修を充実させるためには、計画的な研修時間の確保が大切である。
(1) 研修時間を生み出すために教育課程全体を見直し、年間計画の中に位置付けること。
(2) 月、週の行事計画の中に定例的に位置付けたり、時間割編成上から工夫したりすること。
(3) 長期休業中は、集中的な研修が可能になるので、その計画的な活用を図ること。
(4) 共同研修の運営の効率化を図る。
○事前に研修内容を周知させる。
○事前に問題点を集約し、方向付けをしておく。
○記録の累積を図り、その後の研修に生かす。
(5) 職員会や学年会等にも研修時間を確保するように工夫したり、インフォーマルな場での話し合いも大切にし、研修意欲を高めるようにすること。
十二 幼稚園教育の充実
1 幼児教育の問題点
近年の幼児を取り巻く環境には、著しい変化がみられ、社会情勢の進展とともに情報の氾濫、価値観の多様化、同年代の幼児による集団での遊びや自然とのふれあいをはじめとする直接体験の機会の減少、少子化、核家族化、都市化等に伴う人間関係の希薄さなどの諸問題が浮き彫りになってきている。
これらのことが、子供たちの育ちに影響を及ぼし、次のような傾向の子供が増加している。
○基本的な生活習慣が身についていない。
○実体験が少ない。
○物事に対する感動が薄い。
○体力が低下し、疲れやすく、根気強さに欠ける。
2 幼稚園教育の現状と課題
幼児期は人間形成の基礎を培う時期であるといわれ、この時期にどのような経験をもったかが、生涯を通しての生き方に大きな影響を与えるとも言われている。そのため、幼稚園教育に対する社会の期待や関心も高まってきている。
社会情勢の変化に伴って、幼児期の教育を全て幼稚園に期待する風潮や、幼稚園教育に対する考え方も多