教育福島0172号(1993年(H05)07月)-045page
地域において孤立しがちな若い親等が、子育てに関する学習・情報交換、親子のふれあい等の実践的な機会を通して、仲間づくりや近隣の人々と交流が図れるようにするため、育児経験を持つ人、家庭教育に関心のある人達を中心に、具体的な援助と助言にあたる相談員(ネットワーカー)を養成します。
(2) 期間(五日間)
前期 六月十日(木)〜十一日(金)
後期 八月三十日(月)〜九月一日(水)
(3) 会場 福島県婦人会館
(4) 参加希望者
・子育ての経験や教育に関する業務に従事した経験をもつ人
・乳幼児期の家庭教育に関心を持ち、学習意欲のある人
・地域の子どもの健全育成に意欲を持っている人
・市町村の職員で、家庭教育に関する事業を担当している人
計三十二名
(5) 講座の内容
テーマ「親子の伸びやかな成長と自立を援助する家庭教育」
(6) 日程及び講師
〔表1参照〕
(7) 前期の様子
当初定員二〇を予定していましたが、予想をはるかに越える三十二名の応募者があり、改めてこの事業に対する期待の高さを実感しました。
特に、遠隔地からの参加者や新聞を見て応募した参加者など、半数以上の方が自己負担による参加者でした。
また、市町村負担による参加者も、実際にボランティアとして活躍が期待される方々で、全体として意欲に満ちた受講態度が印象的でした。
研修内容では、どの時間も好評でしたが、眼から鱗が落ちるような思いをしたのは、最後の「カウンセリングの理論と実技」だったようです。参加者は実技を通して、体験的に指導や相談とは異なる、治療的な関わりを垣間見たようです。
さらに、班別の情報交換や懇談及び演習により、参加者の課題意識を育て、学習内容と自分の体験をつなげる方法も効果的でした。
三「家庭教育ふれあい推進事業」の実施
(1) ねらい
家庭と地域の教育力の一層の活性化を図るため、育児経験を持つ人や家庭教育に関する学習の修了者等を「家庭教育ふれあいネットワーカー」として配置する「子育てひろば」を、公民館、幼稚園・小学校の余裕教室等に開設することにより、近隣の人々の家庭教育に関する情報交換や経験交流、仲間づくり等を推進し、親等のネットワークの形成を促すものです。
(2) 期間
平成五年四月〜平成六年三月
(3) 実施市町村
国の補助を受けて、次の二市町村が実施することになりました。
〔郡山市 桑折町〕
(4) 事業の内容
1) 子育てひろばの開設
2) 家庭教育ふれあいネットワーカーの配置
3) 家庭教育ふれあい事業の実施
(5) 「子育てひろば」の開設
1) 地域の実態に応じ、身近で気軽に集まりやすい場所、時期に開設する。
2) これから親になる青年男女や新しい住民となった親等も参加できるようにする。
3) 原則として一か所年間百日以上開設する。
四、おわりに
これらの事業は、指導者の養成(県)と具体的な働きかけ(市町村)という相互の関連を図りながら、ともに地域の教育力の活性化に大きく貢献することが期待されています。
今後は、PTAの協力による地域懇談会の開催や「ふくしま・フレッシュ・ふれあいデー」の定着を図るなど、多様な展開により一層の充実に努めます。