教育福島0173号(1993年(H05)09月)-041page
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新しい教育の創造にむけて
-研究校紹介-
ティームティーチングによる指導法の研究
広野町立広野小学校
管内唯一のオープンスペースを持つ学校として改築されてから七年目を迎えました。「一人一人を生かす学習指導」について、問題解決的な学習指導法の工夫・改善に焦点をあて、「全児童を全教師で」をモットーにして研究を進めています。その研究の一端を紹介します。
二年生の国語科では「紙人形をしよう」を取りあげ、学級担任三名、教科担任一名で実施しました。ここでは六名編成のグループごとに紙人形を作成し、本時はグループごとにめあてを決めて練習をしたり、グループごとの発表を聞いて話し合ったりする学習でした。教師の役割分担で最も苦労したのは、グループごとにめあてを持たせる段階で、教師の援助を必要とするグループへどのようにかかわればよいのかということでした。
また、四年生の社会科「安全なくらしを守る」の学習では、「学習カード」に児童一人一人が、学習計画を作成しました。体験したりして学習を進めました。学習コーナーごとに準備された学習材を使って調べたり、学習コーナーごとに三人の教師がつき、児童の学習の相談にのったり支援したりし、他の一名の教師は全体の指導と学習状況のチェックをしました。
このような研究を進めてきた結果、学級担任十一名のチーム編成による指導が効果的であることがわかりました。また、チームによる話し合いを通し、児童理解や教材研究が深まり、役割分担を明確にした指導がしやすくなりました。今後は更に全教科に研究を広げていく計画でいます。
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T・T授業風景
親子ディスカッションによる道徳教育
原町市立原町第三中学校
本校は、平成四年度より二年間、道徳教育推進校として文部省の指定を受け「豊かな心を育て、実践力を高める道徳教育」を研究主題として設定し、研究を進めています。
激しく変化する社会の中で、生徒が、自主的・自発的に道徳的行為に取り組む手立てを工夫したり、家庭・地域社会との連携を深めたりすることによって、実践力のある生徒の育成をめざしています。
研究の視点の第一は、望ましい人間関係を重視した道徳の授業の工夫、第二は、一人一人の生徒が、豊かな体験ができるような機会や場の設定、第三は、家庭や地域社会との連携の図り方についてです。
家庭や地域社会との連携を深める方法の一つとして「親子ディスカッション」を行っています。初めのころは生徒も親も緊張のためか遠慮がちに発言していましたが、回を重ねるに従い、授業をもとにした自由な話し合いができるようになってきました。
主題名「働く尊さ」の学習の後で、生徒から「今まで親の仕事の辛さをあまり知らなかったが、今日の学習を通して見方が変わり、父母を誇りに思うようになった。」とか、父母からは「働く尊さを理解し、やりがいのある仕事を選択しようとしている。」などの意見が出されました。
今後は、一人一人の生徒が個性を十分に発揮し、豊かな心を持ち楽しく学校生活を送ることができるよう、教師と生徒、生徒同士のよりよい人間関係を確立しながら、道徳教育の研究推進に一層の努力をしていこうと考えています。
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親子による熱心な討議
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