教育福島0174号(1993年(H05)10月)-006page
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提言
子どもの不思議
福島県文学賞選考委員
岩間芳樹
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仕事で頻繁に海外へ出るようになったこの十五年ほどだが、旅先での仕事以外の私の関心は専らその国々の子どもたちに向けられている。撮る写真の被写体も大半が子どもたちで、世界の子どもたちの姿が、私のひそかなコレクションになっている。
先進国の子どもたちはおおかた似たりよったりだが、興味深いのは発展途上国の子どもたちである。戦中から戦後ヘかけてのあの混乱のなかで、日本の子どもたちが体験した自立心に富み、強靭で野性的だった一時期を思い重ねることができるからだ。
インドでは、若いインド人ガイドが貧困の姿に驚くでしょう、とこちらを気づかっていうのだが、日本の戦後状況とさして変わらないと、こちらが平然としていると、日本にもそんな時代があったんですかと、彼はきょとんとしている。物乞いの子どもたちが、少しでも日銭を余計に稼ごうとして、日本語を話そうとしている様子なども、「ギブミー・チョコレート」時代の日本の子どもを思い起こす。それはネパールでも同じで、外人観光客に英語やドイツ語や日本語で声をかけてくる子どもたちのバイタリティーには胸を打つものがある。
モロッコのフェズやマラケシュのカスバの路地で、卵一つを掌に置いて商っている幼児や、皮工、金属工、織物工の徒弟として一人前に働く七、八才ぐらいの子どもたち。様相はまさに前近代社会そのものだが、子どもたちの顔がいずれも
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