教育福島0175号(1993年(H05)11月)-017page
感激であり喜びでもある。また、ロボットの制御やそのためのディジタル技術の学習へと発展させ、将来の技術者を目指している。
更にコンピュータの支援する設計・製図装置一CAD一による製図には多くの機能と便利さがあり、ほとんどの工場で普及していることから、生徒にとっては大事な実習の一つである。
なお、機械科における数値制御関係の設備は次の通りである。
1)数値制御旋盤
2)旋盤用数値制御装置
3)数値制御フライス盤
4)フライス盤用数値制御装置
2、電気科
電力の発変電や送配電、そして電力消費の大半はアナログ量であり、それらを通信回線を介して計測、制御を行っているのはすべてコンピュータであると言っても過言ではない。
また、電力関係の保守や工事、家電関係の技術や製造など、どれをとっても情報技術が広く利用されている時代である。
電気科では特にコンピュータそのものを学習するというのではなく、いかに道具として活用するかを目指している。
一年次のBASIC言語によるプログラミング学習では情報技術の基礎を習得させ、その後に計測・制御・通信、そしてデータ処理、アプリケーションソフトの活用へと学年別に学習課題を設けている。
また電動機や電力関係の従来からの実習についても、パソコンによる測定および特性図の作成を行うなど、それらの教材化を進めている。
次に情報技術に関連した教材化の代表的なものを紹介する。
1)三相同期発電機の無負荷試験における計測・通信および特性表とグラフの作成
2)三相誘導電動機の特性試験における円線図と特性表の作成
3)模擬送電実習における円線図のコンピュータシミュレーション
4)プログラマブルコントローラを活用した信号機等のシミュレーション
3、電子科
電子技術や通信技術のすべての分野において情報技術が要求されている時代である。
従って情報技術の基礎から各種の言語、コンピュータによる制御・計測・通信の領域まで、情報技術を用いた指導を幅広く行っている。
技術の進展と共にこれらの占めるウェイトが増しており、生徒の学習目標の一つとなる資格試験においても、多くの情報技術関係の受験を指導している。
コンピュータに慣れ親しむ段階から情報技術へのステップアップ、そして情報新時代に対応できる人材の育成をめざしている。
具体的には一年次におけるBASIC言語によるプログラミング、流れ図の考え方、データの取扱い、コンピュータの基本構成、アセンブラ言語の基本についての学習、そして簡単な外部機器の制御実習一ステッピングモータや発光ダイオードなどの制御)。二年次におけるポケットコンピューターポケコン)搭載のポケコンカーの製作とその制御、ハードウェアとソフトウェアの学習を深める指導、上級の検定・資格試験の取り組みなどである。
特にポケコンカーについては、その製作およびプログラミング、そして応用へと一貫性のある指導を実施しており、生徒達も意欲的に取り組んでいる。
マシニングセンター(MC)による加工実習(機械科)
パソコンを活用した電動機の実習(電気科)
ポケコンによるエレベータ新制御教材(電子科)