教育福島0175号(1993年(H05)11月)-036page

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研究会場は、福島市の桜の聖母修道院等であり、やがて若松と福島会場にわかれた。

この研究会のほかに福大からの東京芸大委託生として教えを受けた斉藤一次(福大教授、故人)古関斎(前船引高校長)福島会場からの斎求(前ベルリンオペラ劇場歌手)宍戸悟郎(現札幌大谷短大教授)等も当グループの出身である。

昭和三十三年代から本県の合唱に対する意欲が急速に高まり、各ジャンル東北代表は一団体のみの派遣と云うことで、少ない代表に対し、猛烈な覇権競争を生むことになったが、合唱の基礎としての本協会の活動は、まさに合唱音楽の底流を支えるものとなった。全国大会金賞受賞の指揮者が殆んどこの協会のメンバーまたは研究者であった事実はそのことを物語っている。遠藤(大堀健、会農、故人)鎌田昭治(福女教育センター指導主事、故人)渡部康夫(安女、現合唱連盟理事長)伊藤勲(現本会副会長 安達高)

昭和五十九年に、創立三十五周年を記念祝賀会並びに演奏会を文化センターで開き、従来の母体であった晃声会から流派、門ばつを越えた福島県声楽協会として新たな歩みを始めた。日本歌曲、リード、オペラアリア等を中心とする発表会を独自に開くこととした。本協会十周年記念演奏会は、昨年十一月十四日の県文化センターで、十一人のアリアとリードの部として、第二部はオペラハイライトとして三幕五場の歌劇を、小道具や衣裳等をつけて上演した。その中で特筆すべきことは、二本松出身のテノール横田逸郎君が、最初の舞台で、プッチー二のオペラ「ボェーム」から「冷たい手を」のアリアのなか、本県音楽史上男子としては最高音のハイC(オクターブ高いC音)を見事実音できれいに聞かせた。まさにウルトラCに当り、本県演奏史上に残る快挙である。客員演奏としては、佐藤淳一(仙台尚敬女子短大助教授テノール、昨年ドイツミュンヘン留学から帰国)前教育センター研究員の荒井一成(テノール)谷政子(福島市音楽教室経営ソプラノ)大竹典子(会津坂下町・音楽教室経営)等が、それぞれ会津若松市や福島市における第九演奏会のソリスト(独唱者)として活躍している。またコーラス指揮では、伊藤勲(本協会副会長テノール、安達高)の平成五年度県大会大賞〈最高賞〉栗村善喜(本会理事ソプラノ)が高校で、メンタルハーモニー会長の菱沼忠一(本協会事務局長)が一般の部でそれぞれ金賞を受賞している。また文化庁内地留学派遣の国分雅人一福島市出身バリトン、芸大大学院卒)田中早苗(桐朋声楽ソプラノ会津若松市出身)は中央のオペラ界で活躍中である。会員の特色としてそれぞれ、専門の大学の学部で声楽の課程を修了している者が多い。

目下、創立以来の目標である県民オペラの実現を目ざして努力中である。このほど平成七年度福島国体スポーツ芸術競技の一つの候補になっているオペラ「乙和の椿」(仮題)がそれである。

今を遡ること八百年、自らの子孫、しのぶの里、東北のプライドを守り抜こうと戦った、しのぶの里の荘司佐藤基治、継信、忠信その母乙和と源氏の武将、義経、弁慶等を題材にした県民オペラの創作と上演をめざして準備をすすめている。オペラ「乙和の椿」福島市飯坂町に残る大鳥城を舞台にする福島復権のオペラにしたい。四十年周期に廻る国体の記念として、競技得点や建物のようにモニュメントとしての形には残らないが、本県の誇れる文化遺産、本格的オペラとして平成七年十月十八日上演の予定であり、これが成功を見て、国内各所で上演されるのを楽しみにして会員一同協力して頑張っている。オペラの細部については、今後報道等を参考にしてほしい。

尚平成五年演奏会は、十一月六日出郡山市文化センターで、県民オペラに対応して、オペラハイライトを中心として、開演した。

お詫びと訂正

 

お詫びと訂正

本誌七・八月号及び十月号の「ふるさと探訪」で誤りがありましたので、お詫びして訂正いたします。

 

 

 

 


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