教育福島0178号(1994年(H06)04月)-004page
文化の窓
河井寛次郎展
−祈りと悦びの仕事−
会期◎1994年6月4日(土)〜7月10日(日)
会場◎福島県立美術館企画展示室
河井寛次郎(1890〜1966)は、近代日本を代表する陶芸家の一人です。島根県に生まれた彼は、東京高等工業や京都市陶磁器試験場での修業を経て、大正8年京都で独立、以後半世紀ものあいだ次々と傑作を生み出します。この間、東京高工在学中に生涯の友となる浜田庄司とめぐりあったのをはじめ、バーナード・リーチ、柳宗悦との出合いにより、無名の職人たちが作ってきた雑器のもつ質実で素朴な美におおきく目を開かれ、浜田とともに民芸運動の実践者として生涯を捧げていったのです。
寛次郎の作品は、型を用いた成型を多用しながら、奔放な釉薬(うわぐすり)による華麗な色彩と融通無碍な造形性をたたえ、近代陶芸史上輝かしい光芒を放っています。この展覧会では、京都国立近代美術館所蔵のコレクションを軸に、代表作164点により河井寛次郎の全貌を捉えなおしてみようとするものです。
観覧料 一般・大学生=820円(660円)/高校生=610円(460円)/小・中学生=410円(300円) *( )内は20名以上の団体料金*
休館日 毎週月曜日
ギャラリートーク *チケット購入の上企画展示室に集合*
1)6/10(金) 10:30〜11:30 2)6/25(土) 14:00〜15:00
講演会 6/26(日) 14:00〜 美術館講堂にて(聴講自由)
「河井寛次郎と民芸」(仮題) 水尾比呂志氏(美術評論家)
「鉄薬笹絵喜字鉢」1935年
「呉須辰砂丸紋章花図角瓶」1937年
「打楽扁壼」1962年
「鉛釉白流蓋壺」1930年
「呉須辰砂草花図扁壼」1937年頃