教育福島0178号(1994年(H06)04月)-047page
教育・イン・ザ・ワールド
−−姉妹校交流で学んだ英国事情−−
福島南高校は英国の伝統校ケステブン・アンド・グランサム女子中等学校と2年越しの交流を経て平成5年9月、姉妹校の提携を結んだ。これは、平成3年5月にロンドンの「ジャパン・フェスティバル」事務局が日英両国の学校に相互交流を呼びかけ、これに応じた両校が生徒同士で文通を始めたのがきっかけであった。
グランサム校は1910年創立のグラマースクール(進学校)で、サッチャー前首相の母校である。英国の中等学校は日本の中学校と高校が合体した形であり、同校には11歳から18歳までの女子生徒905人が学んでいる。本校生と文通をしているのは16歳以上のシックス・フォーム(日本の高校にあたる)の生徒たちだが、彼女たちの受けている授業には日本の歴史や文化に関するものまである。同校は今回の姉妹校提携を機に日本語講座も開設、その指導者に鹿児島県でAETとして勤務した経歴をもつ教師が迎えられている。
姉妹校提携を記念した今回の渡英には国際文化科の女子生徒14人が参加し、それぞれのペンパル(姉妹校生)宅にホームステイしながら、英国の学校生活を1週間体験した。この体験について、参加生徒の1人は「自分の一生の半分くらいの価値があった」とまで語っている。
同校はリンカーン州にある公立校だが、日本の学校との直接交流は州で初めてという。一同は姉妹校関係者とともに州庁に招かれ、州教育長と親しく懇談する機会に恵まれた。訪日の際は経済面でも支援すると明言する教育長の姿勢からは、姉妹校交流にかける期待の大きさが感じられた。この相互交流は、パートナーシップを一層強めるため、双方で毎年実施されることになっている。
ホフキンソン校長と田辺英憲先生(福島南高)
被服授業のあとペンパルたろと 折り紙で日本文化を披露。好評でした。