教育福島0179号(1994年(H06)06月)-011page
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研究実践
生徒の主体性と社会性を育てる生徒指導の在り方
鮫川村立鮫川中学校
一 研究主題設定の理由
新学習指導要領全面実施に伴い、新しい学力観に立った教育の推進が強く望まれている。特に、国際化、情報化、価値観の多様化などに伴う社会の変化に主体的に対応できる能力の育成、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を学力の基本とする教育活動の展開が期待されている。
こうした中、本校では「知性豊かな生徒」「心豊かな生徒」「健康な生徒」を教育目標に掲げ、生徒の知・徳・体の調和的な発達をめざし、教師集団が共通理解のもと一丸となりよりよい校風づくりに努めている。
本校の生徒は、「素直」「まじめ」「ねばり強い」などの特質を持ち、非常に誠実で思いやりがあり学校生活全般に落ち着いている。しかしながら、場に応じた言葉遣いができないなど基本的な生活習慣が身についていない。また、指示されたことは素直に行動するが、自ら進んで行動したり、集団の中でリーダーシップを発揮したりすることが得意でなく、受け身的な態度が見られる。保護者は兼業農家や共働きが多いため学習面はもちろんのこと、しつけに関することまで学校に頼りがちである。
以上、今日的課題・学校教育目標の具現‘地域や生徒の実態から、生徒が自分で考え、判断し、実行する活動を通して生徒の「主体性と社会性」を育てることが重要な課題であると考え、標記のような研究主題を設定した。
二 研究の見通し
研究主題を解決するために、めざす生徒像(資料1)をイメージ図に表したり、研究推進全体構想図(資料2)を作成したりすることにより、全職員の共通理解を図った。
1 めざす生徒像
〈主体性…縦へ伸び〉
生徒は自分で考え、判断し、実行する活動を通して主体性を身につける。
〈社会性…横への広がり〉
生徒は学校・家庭生活など集団生活を通して社会性を身につける。
(資料1参照)
資料1
めざす生徒像
(イメージ図)
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2 研究主題・副主題のとらえ方
生徒の主体性と社会性を育てる
生徒指導の在り方
〜自分で考え判断し実行する活動を通して〜
本校における生徒指導は、生徒の問題行動が少ないため、事後処理的な生徒指導ではなく、すべての生徒を対象として積極的な生徒指導を推進した。
また、本研究の基盤となるものとして、生徒指導の三つの機能を学校教育活動の中に位置づけた。
1) 自己決定の場を与える。
2) 自己存在感を感得させる。
3) 共感的人間関係を育成する。
3 研究仮説
研究主題に迫るため、次のような研究仮設を設定し、学校長を中心として組織的・実践的に研究を推進してきた。
各教科、道徳、特別活動などの指導の中に、生徒が主体的に活動する場と相手を理解し協力して活動する場合を設定し、生徒指導の機能を生かしながら、生徒が自分で考え、判断し、実行する活動を、助言・支援していけば、主体性や社会性を身につけた生徒になるであろう。
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生徒の生き生きとした活動〜塙の岡祭(文化祭)より〜
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