教育福島0179号(1994年(H06)06月)-031page

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特集2

 

軽度心身障害児への対応

 

−養護教育課−

 

第一章 軽度心身障害とは

いろいろな原因によって、思考、言語、青緒などの精神的な面や、運動・動作、視覚や聴覚、健康などの身体的な面に、何らかの障害のある子どもたちを、一般に心身障害児と呼んでいます。

その中でも、障害の程度が比較的軽度で特殊学級に在籍して指導を受けたり、小学校や中学校の通常の学級(一般に普通学級と呼ぶことが多い)に在籍して、障害に応じた特別の指導を通級指導教室で受けたり、特別の配慮を受けながら健常児と一緒に学習をしている軽度心身障害児がいます。

この子どもたちは、本来持っているであろう能力を発揮する面でも、社会生活を営む上でも多かれ少なかれ困難や不自由な状態にあります。

しかし、この困難や不自由な状態は、周囲の配慮によって重い状態にも軽い状態にもなります。心身障害児を取りまく周囲の人々の関係や生活環境の調整を図ることにより、不自由さを軽減することにつなげたいものです。

これは、盲・聾・養護学校の教育対象の児童生徒だけでなく、特殊学級や通級による指導等を受けている軽度心身障害児においても同じことが言えます。

 

第二章 心身障害児の就学

心身に障害のある児童生徒は、各市町村教育委員会が市町村心身障害児就学指導審議会の障害の種類と程度の判断をもとにして、手厚い処遇ができる学校を指定します。

盲学校・聾学校・養護学校や特殊学級に在籍して指導を受ける制度とともに、平成五年度から通常の学級に在籍し障害の改善克服するために必要な指導を受けることのできる通級による指導一精神薄弱は対象になりません)が制度化されました。

心身障害児の就学先と障害種別は、学校教育法施行令二二条の2、昭和五十三年十月六日付け文初特三〇九号通達、平成五年一月二十八日付け文初特二七八号通達で下のように示されています。一表1参照)

しかし、様々な理由によってそうした特別の指導を受けられないまま通常の学級に在籍し、指導を受けている児童生徒もかなりいるのではないかと思います。

障害の種類や程度に応じて適正な就学の場を保障していくためにも、小学校や中学校の校内就学指導委員会、そして、市町村心身障害児就学指導審議会の役割は大きなものがあります。

 

表1 就学先と障害種別

表1 就学先と障害種別

 

第三章 かかわりで基本的なこと

次に、軽度心身障害児にかかわる上で留意すべきことについて述べます。

一 しっくりした人間関係を

かかわりの上で基本的に大切なことは、大人の一方的な論理や都合で心身障害児の生活に土足で入り込むようなことを避け、子どもの生活を混乱させないことです。

さらに、心身障害児がかかわり手を自分の気持ちを理解して困ったときに手をさしのべてくれる、子ども

 

 

 


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