教育福島0179号(1994年(H06)06月)-042page

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養護教育センター通信

 

共同研究報告

 

養護教育におけるコンピュータ活用に関する研究(第3年次)

 

−養護教育におけるコンピュータ活用の実際(その2)−

 

一、はじめに

前回は、視覚障害・聴覚障害・精神薄弱教育におけるコンピュータ活用の実践について述べましたので、今回は、肢体不自由・病弱教育の実践と今後と課題について報告します。

 

二、研究の実践

 

(1) 肢体不自由教育

【事例4、5、6】

(注) パケット通信という趣味を通して、友達や地域の人との交流を図り、併せて社会的なルールや責任を学び、生活経験を豊かにしていった事例、他

 

今回、肢体不自由教育の分野では、「生涯教育、交流教育に生かすコンピュータ活用」の可能性を探るためにパケット通信を取り上げました。

高等部3年のD男とE男は、ことばや上肢にはほとんど障害はありませんが、移動は車いすを使用しています。学校では比較的積極的な生徒で、リーダー的な存在です。

一方、F男は、言語障害と上肢の機能障害等、全身的に障害が見られます。自分から話しかけることが少なく、どちらかというと消極的です。

三人とも、学校以外の人との交流は少なく、限定された生活を送っているため、生活経験はどうしても狭くなりがちです。将来の社会参加・自立を考えると、友達や地域社会の人達との交流を深めたり、さまざまな情報を得たりすることが生活をより豊かにしていくためには大切になってきます。

そこで、コンピュータを活用して彼らの生活経験を拡大し、生活の質を高め、より充実した生活が送れるような支援を考えることにしました。

三人とも、ワープロやコンピュータ操作の経験がありましたし、アマチュア無線の免許証も持っていましたので、アマチュア無線を利用したパケット通信の活用を考えました。

肢体不自由児(者)がパケット通信を運用するためには、運用に至るまでの環境の整備が特に大切になります。特に、F男の場合は、上肢の機能障害がありますので、パケット通信にかかわる機器類の操作環境を整えるため

 

パケット用反応入力装置

パケット用反応入力装置

 

 

 


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