教育福島0180号(1994年(H06)07月)-011page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

る。設定に当たっては、児童生徒との話し合いの機会を設定することが望ましい。

(3) 各教科、道徳、特別活動の目標への具現化

重点目標を具現化するためには、三領域との関連を持たせることが各学校の目標達成のため極めて重要であるので、特に次の点に留意したい。

ア 教育課程編成は、重点目標達成の観点から行うこと

イ 具体化した目標を、各教科等の単元や題材の学習活動に位置付けること

ウ 教科等で努力することを年度当初に児童生徒と話し合い確認するとともに評価表等を作成すること

エ 授業案や週案に目標とのかかわりから実践事項を記入し、意図的に取り組むこと

 

3 具現化のための組織体制

教育目標達成の基本条件は、教職員の役割を明確にし、教職員一人一人の持つ能力や特性を存分に発揮できるようにするとともに、十分に共通理解を図って協力体制を確立することでありそのためには次のような点に配慮することが大切である。

(1) 学校の実情に即した機能的な組織を編成すること

(2) 教職員一人一人の職務内容を明確にし、責任体制を整えること

(3) 教職員の適材適所の配置に心がけること

(4) 委員会や各部会等を定期的に開催し、到達度や課題を明確にすること

(5) 家庭や地域との連携を密にし、協力実践の体制をつくること

 

4 教育目標具現化と評価

児童生徒の目標達成状況を絶えず評価し、指導法を改善して目標に迫る相乗的効果を目指すために、次の点を大切にしたい。

(1) 教師、児童生徒の反省や評価を学校経営に生かす配慮をすること

(2) 定期的に反省し、成果や課題を全職員で確認すること

(3) 学年末の評価の際は、評価の対象、観点、基準、方法等を的確に定め、実践課題を明確にすること・

(4)、週、月の努力事項の評価を大切にし、評価を生かすよう指導援助に努めること

(5) 保護者や地域の要望を可能な限り生かすよう努力すること

 

二 特色ある教育課程の編成と展開

 

1 特色ある教育課程とは

特色ある教育課程とは、「自校の教育課題解決を目指す創造的な学校経営の教育計画」をいう。「特色ある」とは、自校の教育課題解決の営みの中に色濃く表出するものであり、他にない特別な教育計画や他校でまねの出来ない独特な教育活動だけを意味するものではない。

その学校の児童生徒のために、その学校ならではの教育力が駆使できるよう組織した自校の教育計画を指すのである。

 

2 特色ある教育課程の編成

各学校において特色ある教育課程を編成し、展開していくには、新しい学力観に立つ教育と児童生徒のよさを生かした教育の考え方を基本とするとともに県教育委員会の重点施策を十分考慮し、子供たちの実態や地域社会の願い等を的確に把握、分析して自校の課題を明確にしておく必要がある。

その課題解決のために、特色ある教育課程を編成していくわけであるが、その留意点は次のとおりである。

(1) 自校の教育課題について全職員が共通理解し、解決の方針、見通し、手だて等を明確にする。

(2) 自校の指導計画を作成する。

ア 児童生徒の実態を的確に捉える。

イ 児童生徒のよさや可能性を生かし、資質や能力の育成を図る指導計画を作成する。

ウ 校長のリーダーシップのもとに自校化推進のための体制をつくる。

(3) 地域素材の教材化に努め、地域の特性を生かすよう配慮する。

ア 地域の施設、文化財、自然環境などについて調査し、自校の教育活動に生かせるか吟味検討する。

イ 地域の人々の考えや願いを自校の教育活動に適切に反映させる。

 

3 特色ある教育課程の展開

教育課程を展開するに当たっては、教育活動を児童生徒一人一人がそのよさや可能性を生かしながら、豊かに生きていくために必要な資質や能力を身につけていくプロセスとしてとらえ、推進していくことが大切となる。そのためには、各学校のきめ細かな創意・工夫が必要となるが、その対応を検討する基本的な観点は次のとおりである。

(1)新しい学力観に立った学習指導を推進するための工夫

自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を育成していくには、各学校の教職員の特性や指導力、自然環境、地域の素材、学習の場などを総合的に活用し学習を展開していく。

ア 児童生徒の主体的な学習活動の

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。