教育福島0180号(1994年(H06)07月)-012page

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場をできるだけ多く設定する。

イ 学習過程において問題解決的な学習や体験的な活動を重視する。

ウ 児童生徒の側に立って各教科等間の関連を図った学習指導を展開

する。

(2) 学習指導の弾力的な展開

児童生徒が自分のよさを発揮し進んで学ぶ学習指導では、従来の形式を見直し、学習の流れや形態、学習時間などに柔軟に対応していくことが大事である。

ア より効果的な学習の方向や方法に修正するための複数案を検討しておく。

イ 学習活動を充実させるための学習形態や学習の場などを、各学校の実情に応じて検討しておく。

ウ 体験的活動にじっくり取り組ませたり、反対に、学習意欲をそこなわないよう短時間で学習作業の手順を指導したりするなど指導目標に応じて学習時間等の設定に強弱をつける。

(3) 教材選択等の工夫

児童生徒が自ら考え、判断し、表現するためには、自校や地域の特色が反映された魅力的な教材を選択したり、開発したりする必要がある。

ア 複数の教材や地域素材の適時性などを考慮した教材を準備する。

イ 教科書には標準的な教材が準備されているが、それを中心としながら児童生徒一人一人に応じる弾力的な活用の仕方等を工夫する。

(4) 教職員や児童生徒のよさを生かす工夫

ア 諸教育活動の中で教職員と児童生徒、児童生徒相互の人間関係を豊かにし、お互いのよさに共感し合うことができるよう配慮する。

イ 教職員のよさを積極的に生かすことによって、児童生徒のよさを高め豊かにする観点に立って学習活動などを計画する。

○ ティーム・ティーチングの導入

○ 交換授業の工夫

○ 養護教諭や学校栄養職員などとの連携

ウ 異年齢の児童生徒や他の学校の児童生徒とのかかわりを重視した場の設定に配慮する。

(5) 家庭や地域社会のよさを生かす工夫

特色ある教育課程を展開していくには、学校、家庭及び地域社会の教育力を相互に高め合い、活用し合うために次のような取り組みも大切となる。

ア 学校の実情に応じて、地域の自然や社会などの素材を教材化する。

イ 地域の文化施設や文化財、自然環境などを積極的に利用する。

ウ 地域社会の人々に教育活動の協力を要請する。

 

三 新しい学力観に立った学習指導と基礎的・基本的内容の定着

 

1 基礎的・基本的内容と基礎学力

学校教育においては、これまでも一貫して基礎的・基本的な内容が重要であると考えられてきた。学習指導要領では、総則の教育課程編成の一般方針において「学ぶ意欲」や「社会の変化に対応できる能力の育成」、「個を生かす教育の充実」とともに「基礎的・基本的な内容の徹底」をあげている。

基礎的・基本的な内容が重要であるのは、子供たちが新しい学習を創造的に進めていくために必要であるとの考え方に基づくものである。また、基礎的・基本的な内容の中身は不変のものではなく、子供たちが生きていく時代や社会との関連において見直さなければならない。

これまでは、基礎的・基本的な内容を教育する側に立ち、指導すべき一定の知識や技能であるととらえる傾向が強かった。これからは、子供側に立ち、子供たちが身につける必要がある関心・意欲・態度や思考力、判断力、表現力および知識・理解、技能などの資質や能力ととらえて育成していかなければならない。

新しい学力観では、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの諸能力を、その中核をなすものととらえている。しかし、このことは知識・理解、技能を軽視するものではない。本来、知識・理解、技能は主体的、創造的な学習に役立ってこそ意味をもつものである。そのことをふまえ、その学年で身につけるべき知識・理解、技能やその後の学習に生きて働く力を基礎となる学力ととらえて、その向上を図るよう学習指導を充実させていく必要がある。

 

2 新しい学力観と基礎的・基本的な内容の定着

新しい学力観の中核をなす資質や能力は、授業の中で単独で取り上げて育成していけるものではない。

学習が成立するためには、何といっても子供一人一人の情意的な側面(関心、意欲、態度)が大事になる。学習に対する「興味・関心」「学ぼうとする意欲」がエネルギーとなって学習が始動する。そして、学習のめ・あてや課題を自覚し、解決の方法や見通しをもって意欲的、主体的に取り組んでいく。

子供たちは何度も失敗を繰り返し

 

 

 


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