教育福島0180号(1994年(H06)07月)-016page

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が求められている。それゆえ、一人一人の児童生徒の個性の伸長を図り、社会的な資質や能力、態度を育成し、将来、社会において自己実現ができるような資質や態度を形成していくための生徒指導は従来にも増して重視される。

そのためには、生徒指導の主要な機能である「自己決定の場を与えること」「自己存在感を与えること」「人間的なふれあいを基盤にすること」の三つを各教科、道徳、特別活動など、その他学校教育全ての活動に機能させていくことが大切である。

 

1 共感的な人間関係の育成

児童生徒は学校生活の中で、集団生活を通して社会的体験を深め、様々な人間関係の中で社会性を養い、自己を高めていく。

児童生徒は、親しい友人や安心できる人との関係では、あるがままに自己を表現し、生き生きと自己を発揮している。それゆえ、児童生徒相互に、そして教師と児童生徒間に受容的で共感的な人間関係を育てていくことが大切である。

そのためには、児童生徒相互が喜びを共感でき、相互理解を深めることができる活動や体験的活動を積極的に取り入れて、児童生徒相互の人間関係を深め、学級の雰囲気を心理的に安定感のある支持的風土に作り上げていくことが大切である。

学校では、日頃から学校や学級内の児童生徒間の人間関係に目を配り、好ましい人間関係を醸成して、一人一人の児童生徒が集団の中で生き生きと活動できるように支援することが重要である。

 

2 真の児童生徒理解に立った指導の展開

各学校では、児童生徒の健全な発達を目指して日々努力している。しかし、児童生徒の様々な行動や言動等に表現されるその根源に対する理解が不十分であるために、指導や対応が適切でなかったり、指導体制に行き違いがあったりして、児童生徒が自己実現が疎外されていることも少なくない。

児童生徒理解は指導援助のための最も重要な前提になるものであり、どれだけ深い理解を教師が持つかが支援を進める鍵である。

真の児童生徒理解を進めるためには、児童生徒とのふれあいを基盤にし、児童生徒は絶えず成長する存在であることを認識し、児童生徒の良さを積極的に見い出す視点で理解を進めることが大切である。

とりわけ、児童生徒理解においては、発達に伴う児童生徒の変化や特徴、またその時期の教育的な課題を明確に把握しておくことが大切である。更に、その児童生徒が、自分自身のことや自分を取りまく人々をどう受け止めているか、という自他の受容の程度を把握しておく必要がある。

学校では、児童生徒に共感的な理解を示し、児童生徒の立場になり、人間味のある指導・援助が行えるよう教師自身の在り方や指導体制について、常に改善する努力をすることが求められている。

 

3 児童生徒の立場に立った教育相談の推進

成長過程にある児童生徒の多くは友人関係や学習状況などについて、さまざまな不安や悩みをかかえて学校生活を送っていることが多い。

それゆえ、児童生徒が意欲をもって自己を発揮できるようにするため教育相談を進める必要がある。

学校における教育相談は、特別な心理療法などを行うことに意味があるのでなく、一人一人の児童生徒をありのままに受け止め、その良さや積極面を評価し、理解して、児童生徒がそれを伸ばしていくことができるように支援することである。

このような教育相談が行われるとき、児童生徒の悩みが解決されるばかりでなく、問題行動の早期発見に大きな役割を果たすことにもなる。

特に、児童生徒に最も身近で日頃から触れ合いやかかわりを持つ機会が最も多い学級担任教師の果たす役割は大きく、日常の教育活動の中で状況に応じた多様な教育相談活動を柔軟に展開していくことが大切である。

 

4 望ましい学級集団の育成

一人一人の児童生徒が自己実現を図り、楽しい学校生活が送れるようにするには、良い学級集団を育成することが非常に重要なことである。

児童生徒が不安や懸念に惑わされることなく、学級の成員として、共通の課題に取り組むことができ、自分の存在意義を感得し、所属感や連帯感を自覚したとき、児童生徒は意欲的になり、一層学級集団を向上させようとする。そして、児童生徒は友人と協力して活動する中で、友人との様々なかかわりを通して、社会性を養い、自己理解を深めることになる。

従って望ましい集団活動が十分展開されるような学級集団の育成に努めることが大切である。

 

5 学校不適応問題の解消

登校拒否児童生徒は、年々増加の

 

 

 


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