教育福島0180号(1994年(H06)07月)-022page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

織を工夫すること

 

2 研修内容の検討・改善

研修内容は、自校の教育目標具現化の一環として、教職員共通の課題解決を図ることを原則とする。

(1) 自校の当面する課題の解決・改善に向けた共通主題を設定し、日常の実践を通してその課題解決を図るようにすること

(2) 児童生徒の実態・教職員の切実な課題意識を基にした授業改善についての研究を中心にすること

(3) 学習指導要領の趣旨の実現のため、新しい学力観に基づく学習指導と児童生徒一人一人のよさや可能性を生かす教育への質的改善が図れる研修内容にすること

 

3 研修の評価・改善

計画的に評価を実施し、研修の方法、内容の改善、修正に生かすことが大切である。

(1) 研修内容はどうであったか

ア 自校の教育目標の具現と当面の課題解決に役立つものであったか

イ 教職員一人一人の切実な課題を取り上げ、実践可能なものであったか

(2) 組織と運営はどうであったか

ア 他の組織との関連を図り効果的に運営されたか、今後はどうか

イ 研究意欲を高めるための意識化や協働化を図る組織として運営がなされたか、今後はどうか

(3) 研究の成果と今後の課題が明確にされ、継続化が図られるか

(4) 研究成果が、児童生徒の望ましい変容となってあらわれ、毎日の教育活動に生かされているか

 

4 研修時間の確保

校内研修を充実させるためには、計画的な研修時間の確保が大切である。

(1) 研修時間を生み出すために教育課程全体を見直し、年間計画のなかに位置付けること

(2) 月、週の行事計画の中に定例的に位置付けたり、時間割り編成上から工夫したりすること

(3) 長期休業中は、集中的な研修が可能になるので、その計画的な活用を図ること

(4) 共同研修の運営の効率化を図ること

ア 事前に研修内容を周知させる

イ 事前に問題点を集約し、方向付けをしておく

ウ 記録の累積を図り、その後の研修に生かす

(5) 職員会や学年会等にも研修時間を確保するように工夫したり、身近な場での話し合いも大切にし、研修意欲を高めるようにすること

 

十二 幼稚園教育の充実

 

1 幼児教育の問題点

近年の社会情勢の著しい進展による情報の多様化、価値観の変化は、幼児を取り巻く環境にも大きな影響を及ぼし、同年代の幼児による集団での遊びの機会の減少、生活体験や自然体験などの体験の不足、また、少子化、核家族化、都市化等に伴う人間関係の希薄さなどの問題も浮き彫りになっている。

これらのことが、子供たちの育ちにも影響を及ぼしている。家庭の教育力低下が指摘され、親の過保護が原因であるとされる中で、幼児に低下している点として次のことがあげられている。

○基本的な生活習慣が身についていない。

○根気強さや忍耐強さに欠ける。

○お金や物を大切にする心に欠ける。

○生活体験や自然体験など実体験が不足している。

 

2 幼稚園教育の現状と課題

幼児期は心身の発達が著しく人間形成の基礎を培う極めて重要な時期であることが認識され、幼児期にどのような経験をもったかが、生涯を通しての生き方に大きな影響を与えるともいわれている。

幼稚園教育に対する社会の期待や関心も高まってきているが、社会情勢の変化に伴って、幼児期の教育を全て幼稚園に期待し依存する風潮や幼稚園教育に対する考え方も多様化してきている。

一方、幼稚園では、幼稚園教育の内容や方法について十分に共通理解されず次の様な状況も見られる。

○教師が選択し計画した活動をさせていく保育

○「主体的」あるいは「遊び」という名を借りた放任保育

このことから、幼稚園教育では、その目的や基本をしっかりと捉え、幼稚園教育の在り方を正しく認識していくことが課題であると考える。

また、幼児の生活は、家庭を基盤として地域社会に広がっていることを踏まえ、社会の変化の中で幼児期にふさわしい教育の実現のために、幼稚園生活が家庭や地域社会から切り離されたものでなく、家庭や地域社会の生活と連続性を保ちながら展開されるようにしていくことが必要となってくる。

 

三十一ぺージヘつづく

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。