教育福島0181号(1994年(H06)09月)-011page
中心にした分掌組織内の役割分担が明確にされ、活動の円滑な展開が可能になり、活動相互の連携が図られ、指導の効果が一層高められることになるのである。
3 教員研修の推進
各学校の進路指導を推進するには、
教師一人一人が進路指導に対する理解を深め、指導の力量を高めることが大切である。そのための教師のたゆみない研修が望まれる。
このような研修は、校内で日常的に行われることが大切であり、効果的である。
ア 実態に即したテーマを決め、定期的に研修会を実施する。
イ 進路指導部会や委員会を開いて計画を点検・評価する。
ウ 学級活動の研究授業を実施し、それに基づく事後研究会を行う。
エ 校内研修の水準を高めるため、校外の研修成果も活用にする。
4 保護者、地域社会との連携
生徒がどのような生き方を選択するかは、かなりの部分について保護者、地域社会の考え方に影響されることが多い。しかし、現在生徒を取り巻く地域社会や家庭では、学歴や職業に対する偏った認識のあることは否めない。このような環境の下に生活している生徒に対し、「生き方の指導」を行うべき進路指導を推進するに当たっては、学校の進路指導のみではその所期の目的が十分に達成できないのが現状であり、保護者、地域、学校の連携の下、生徒が将来の職業や生き方についての選択可能性に対する正しい認識を育成することが大切である。
そのためには、各学校では保護者、地域に対して、正しい職業観、将来の姿についての啓発を図るとともに、保護者、地域、学校の三者が共通の認識をもって進路指導に当たれるよう十分に配慮する必要がある。
たとえば,親子での職場訪問、ボランティア活動、親子討論会などを通して、生徒、保護者がともに職業、進路に対する適正な認識をもつことは大切である。また、PTA組織の中の進路指導委員会を設置したり、PTA活動計画の中に位置付けて学校との連携を深め、ともに活動し、進路指導の理解を深めることが効果的である。
保護者と教師、親子が情報を共有し、親子間で、また、保護者と教師間でともに進路について考えていくことが大切なのである。
保護者と学校との連携(例)
3) 中学校進路指導総合改善事業の推進
文部省の新規事業として「平成六・七・八年度中学校進路指導総合改善事業」が今年度より始まり、事業推進地域として福島市、実施校として福島市立信陵中学校が指定された。
この事業は、地域のさまざまな教育力を活用し、中学生に職業生活や社会生活などについて幅広く理解させるとともに、将来の生き方の可能性や選択可能性等について理解させるという取り組みの実践的な研究を行い、中学校における進路指導の改善充実を図ることを目的としている。
事業推進地域である福島市においては、事業推進地域の関係者、関係団体、教育委員会、及び実施校からなる事業推進会議が設置され、事業推進地域における事業の内容・実施方法、実施校と関係団体との連携・協力のあり方等について協議し、事業を推進する。
〈事業推進地域の活動〉
事業推進地域においては、推進会議における協議を踏まえるとともに、実施校、近隣の高等学校、企業、PTA等の社会教育関係団体、医