教育福島0181号(1994年(H06)09月)-010page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

2) 進路指導の推進

指導を転換するためには、各学校が自校の進路指導の計画、それに基づく指導の展開及び指導体制など、これまでの進路指導のあり方を見直し、進路指導の基本に立ち返ることが大切である。

 

1 進路指導の計画

進路指導は、進路指導の機能を補充・深化・統合する学級活動の中に適切に位置づけ、三年間を見通して学校の教育活動全体を通じて行うものである。

 

そこで、三年間を見通した計画的、組織的、継続的な進路指導が行なえるよう次の点に配慮し、指導計画を政策する必要がある

〈進路指導計画作成の方針〉

ア 進路指導が進学指導のみに偏ることなく、啓発的な体験を重視して、人間としての「在り方」、「生き方」を考え、将来の社会生活、職業生活の中で自己実現が図れるよう、しっかりした人生観・職業観を育てる指導に努めること

イ 一人一人の生徒の能力、適性、興味、欲求、性格等の総合的な理解に努め、それぞれの潜在的な資質や可能性を最大限に伸長するための進路相談を進めること

ウ 各学年における進路指導の発展性、系統性を明らかにしてそれぞれの学年の指導を充実することなお、各学年の指導の目標は次のとおりである。

1)第一学年では、進路についての関心を深めるとともに、自己をよく理解し、進路についての学習を計画しようとする態度を養う。

2)第二学年では、進学したい学校や職業などに関する進路情報を理解させ、自己の計画を吟味して実現しようとする態度を養う。

3)第三学年では、自分にふさわしい進路を自ら選択し、具体的に決定することが中心となるが、その過程で、必要な知識や情報を与えながら適切に指導・援助する。

また、この時期は進路をめぐり、さまざまな情報が氾濫しがちなので、各生徒の実態に即した指導を進めることが大切である。

 

さらに、このようにして作成された進路指導の目標を達成するため、以下の点に留意して実践可能な指導内容を明らかにすることが大切である。

 

<指導内容を明確にする手順>

ア 学習指導要領の規定を踏まえること

〇学級活動における指導

〇学校行事(特に勤労生産・奉仕的行事)における指導

〇進路相談を通じての指導

イ 「指導改善の基本的な視点」に即して指導内容の改善図ること

〇「学校選択の指導から生き方の指導への転換」を図るための指導

〇「進学可能な学校の選択」に基づいて、「日ごろの学習の成果等」に基づく助言により、「生徒が選択決定する」指導への転換を図る指導

 

進路指導委員会の組織(例)

2.指導体制の確立

 

2.指導体制の確立

生徒の発達段階に応じた進路指導を効果的に進めるために学級担任や進路指導主事等の役割内容を明確にし、指導体制を整えることが大切である。

(1) 進路指導主事の機能を重視する各学校が、全教師の理解と協力の下で、計画を立て、入学時から三学年時まで継続的に進路指導を進めるに当たり、進路指導主事はその専門的な知識・技術をもって、計画の立案及び実践の中心になり、進路指導改善の先頭に立つことが強く期待されている。

進路指導主事がこのような期待に応え、その職務を果たすためには、学級担任やその他の校務分掌を兼務しない専任の進路指導主事が望まれるが、専任化できない場合であっても、進路指導主事が経験を積みながら、専門的な力量が高められるよう配慮されなければならない。

(2) 進路指導推進の組織を確立する

本来の進路指導推進のためには、進路指導主事の専任化に加え、進路指導委員会などを設置し、校務分掌組織を整備、確立することが必要である。このことにより、進路指導主事を

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。