教育福島0181号(1994年(H06)09月)-013page

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実践研究

広い視野にたって自己を見つめ、生き方についての自覚を深める進路指導

=平成四・五年度県教育委員会研究指定校=

石川郡古殿町立古殿中学校

 

一 はじめに

「先生、生徒さん今年も大変良くやってくれてますよ。」

今年も八月一・二日の両日、職場体験が実施された。二年目を迎えた職場体験も役場や地元の企業、保護者の協力の下、無事に終了することができ、生徒も夏休みの大きな思い出の一つになったようである。

本校では、平成四・五年度県教育委員会の指定を受け、進路指導の研究に取り組んだ。地元に高校がなく通学できる高校も少ないため生徒の進路に対する意識は低く、「通えるところに入れれば」、「いまの自分の力で入れるところへ」といった意見がほとんどであった。そこで本校では、

1)早い時期からの「自己理解」と

「進路の設計」

2)高校入学だけではなく、「将来を見通した進路設計」

3)進路の選択・決定を自己の意志と責任で行うの三点を特に重要な課題であると考えた。

二 研究の視点と組織

これらの課題を解決するため、次の三点に研究の視点をおいた。1)学級活動を中心とした進路指導2)主体的に学ぶ進路指導3)個性重視の進路指導つまり、進路の学習は学級活動の授業を中心に展開されるが、広い視野に立った進路指導を行うための啓発的経験、自己の特性・適性を理解させそれらを生かした進路選択をさせるための進路相談、更にさまざまな進路情報を提供しながらこれらの啓発的経験、進路相談と学級活動の授業を関連させながら、生徒一人一人に自己実現をさせたいと考えた。研究の組織は、「学級活動班」「体験学習班」「進路相談班」「調査研究班」の四班を組織し研究を進めた。

三 研究の実際

1「学級活動班」(略)

2「体験学習班」

(1) 研究テーマ

 

自己を見つめ将来の行き方を真剣に考える生徒を生育するためには、どのような体験学習をおこえばよいか

 

(2) 実践内容

現在、学校の教育活動において啓発的経験は欠くことのできないものである。本校では、夏季休業中に、次の体験学習を実施した。

〈一年生〉……職場訪問

・町内の事業所をグループごとに訪問し、仕事の内容や働くことの意義などについてインタビューを行った。

〈二年生〉……職場体験

・役場、商工会、農協等の協力を得て、およそ二〇の事業所で二日間生徒が従業員と同じように実際に働く機会をもった。

〈三年生〉……体験入学

・全員が自分たちで高校へ行き、体験入学を行う。特に普通科については、体験入学を実施している学校が少ないため、地元の高校に協力を依頼した。

〈その他〉

・卒業生の体験発表や高校説明会などの啓発的経験の場をもった。

(3) 指導の実際啓発的経験の指導の実際を二学年の「職場体験」を実践例とし、取り上げる。

1)実態の把握と計画の立案

学級活動で身近に働く人や職業について学習する。その際に、生徒がどの程度町内の職業や働く人の生活について理解しているか実態を調査した。それに基づき、事業所の種類や事前指導の内容を精選した。特に生徒が意欲的に職場体験に参加するためには、事前指導が重要な位置を占める。事前指導の内容を考えるためにも生徒の

実態の把握は大切である。

2)事前指導

 

 

 

 

 


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