教育福島0182号(1994年(H06)10月)-038page

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教育センターから

 

学力診断テストの研究開発について

 

学校経常部

 

《なぜ、いま、学力診断テスト開発か》

二十一世紀に生きる児童生徒を育む理念と教育内容をもつ、新しい学習指導要領のもと各小・中学校においては、「自ら考え、創造し、おもいやりの心をもち、たくましく生きる」児童生徒の育成をめざし、多様な教育実践活動が積み上げられています。

そうした活動にあって、地域、保護者、教師の寄せる思いの中心は、児童生徒の主体性や個性の伸長にあり、確かな学力の定着、向上にあります。

教育センターでは、こうした取り組みが実効あるものとなるような支援を、何かできないものかと考えてきました。

そこで、新しい学習指導要領による新しい学力の考え方、新しい指導要録に基づく新しい評価のあり方に着目しました。そして、児童生徒一人一人の学習状況や学力の実態を的確にとらえるとともに、個性や能力に応じた学習指導の研究開発が急務の課題であるとの認識に立ち、学力診断テスト研究開発プロジェクトを発足させました。

 

《現在使用中の学力テストとの関連は》

教育センターでは、県教育委員会の重点施策である児童生徒の「学力向上」への支援活動として、平成二年度に「教科内容診断テスト」を義務教育課と共同開発しました。このテストは、県内の小・中学校児童生徒の学力の実態把握と各教科指導法の改善を目的として作られ、その活用が図られてきました。

しかし、このテストは、小学四年、小学六年、中学二年と限られた学年の開発に留まっておりました。そのため、県内各学校、市町村教育委員会から、教育の連続性及び適時指導の面で活用しにくいとの指摘があり、加えて、教科書の一部改訂等の関係もあり、新たな診断テスト開発が待たれていました。

そこで、今回、二ヵ年の継続事業としてこの学力診断テスト研究開発に、昨年の八月以降取り組んできています。この新開発のテストでは、既開発の教科内容診断テストの成果と反省を生かすとともに、新しい学習指導要領に準拠し、県内小・中学校の児童生徒の学力の実態把握と新しい学力の考え方に立った学習指導の充実に役立つことを願っています。特に、小学校四年以上、中学校三年まで連続した学年で使用できるよう、平成六年度は次の教科内容について研究開発に取り組んでおります。

・小学五年…国語 社会 算数 理科

・中学一年…国語 社会 数学 理科 英語

・中学三年…国語 社会 数学 理科 英語

この研究開発の推進にあたり、テスト問題の信憑性、客観性を持たせるためのサンプリングの予備テスト、本テストにおいて、本年度すでに、市町村教育委員会及び県内各小・中学校の協力をいただくことができました。

 

 

 


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