教育福島0182号(1994年(H06)10月)-039page
《新しい学力をどうとらえたか》
これからの学力は、指導要録の観点が示すように「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の四つの構成要素から成り、いずれも必要不可欠のものであると考えました。そして、それらは、互いに結びつき、影響し合う関係にあるととらえました。
特に、「関心・意欲・態度」については、重要な学力の要素であると同時に、図示のように、それ自身が回転しながらプロモータの役目を持ち、他の三つの要素への誘因・牽弓関係を持ちながらスパイラルな高まりをめざしていくと考えました。
《どんな特色を持たせるのか》
今回開発の診断テストでは、児童生徒が基礎的・基本的な内容をどの程度達成したかを指導目標に照らして評価し、児童生徒一人一人の可能性を伸長するのに役立つ資科を得ることを主目的につくられています。そこで、具体的には次のような基本方針によって作成に当たっています。
1 到達度を七十パーセントに
学習指導要領に示されている、当該学年の学習内容の到達度を診断する問題量を七割とし、三割は、学習指導要領に示されている、当該学年の学習内容を基にした発展的内容としました。これは、基礎・基本の重視と、可能性の開発という二つの視点から問題を考えています。
2 二割程度を記述法に
既開発テストでは、設問のすべてが多肢選択法でした。これは、コンピュータによる問題処理を前提と考えてのことでした。
今回開発テストも、コンピュータ処理の点では同じですが、約二割の記述法をあえて取り入れています。コンピュータ処理の限界への挑戦にもなりますが、思考力などの学力の要素をより適切に測ろうとする考え方に基づいてのことです。
3 情意面がはたらく素材、設問の工夫を
新しい学力の考え方では、児童生徒の特性や興味・関心の内容重視を第一義と考えています。そして、その学習は、意欲の持続性を考え、その子の論理を大切にした学習過程や方法の支援・工夫が求められています。そうすることで、自ら学ぶ意欲と、その子としての問題解決能力を身につけていくことができるとされています。
こうした学力の考え方を、テスト問題の中でも反映させていきたいと考えました。
そこで、テスト素材の吟味と、設問の過程においては、関心・意欲・態度等の情意面が十分はたらくよう考慮するとともに、思考力がはたらくことにも努めています。
4 情意面の学力をテストで
情意面を学力の一要素と考え、認知面、技能面と同様に評価の方法を考えました。既開発テストでは、質問法だけでしたが、
今回開発テストでは、質問法の他にコンピュータ処理の限界内での記述法を取り入れました。情意面のある一部の限られた評価ですが、学力の四つの要素について総合的に評価できるよう考えています。
《活用による効果》
県内小・中学校の協力を得、信頼度九十五パーセントの問題に近づく努力をしています。
すべての完成をみれば、県内の児童生徒の可能性を伸ばす指導への転換と、教師の指導改善の評価資料として役立つことになるものと期待しています。
学力構造モデル図