教育福島0182号(1994年(H06)10月)-040page
生涯学習INFORMATION
「学校適応サポートプラン(青少年自然体験活動推進事業)」
たくましく生きる少年のつどい
−生涯学習課−
8.4 自然体験学習(魚のつかみどり)
一、はじめに
学校生活になじめないでいる児童・生徒の増加が叫ばれる中、県教育委員会は、平成六年度新規事業として「学校適応サポートプラン」の一貫として福島県郡山少年自然の家において「たくましく生きる少年のつどい」(不登校児童・生徒対象)を実施しています。
この事業は、学校不適応で悩んでいる児童・生徒が、学校を離れ、自然の中で集団生活をすることで、家庭や学校に対しての適応力を高めていこうとするものです。
二、実施内容について
対象となる児童・生徒が年五回、十一日間の宿泊を通じてアウトドアの厳しい自然条件や新しい対人関係の中で自己を見つめ、果たすべき課題と向かい合い、それらを克服しようとするものです。
個の問題解決能力や感受性の違い、生育歴や家庭環境等の違いなど、その子の持つ個性や能力に応じた課題設定が援助・支援のキーポイントとなります。
勇気を奮って参加している子どもと保護者六十二名が、自然や対人関係の壁とぶつかりながら乗り越えようと必死で努力する姿や、挫けてしまいそうな弱々しい叫びが交錯する中で、第三回を数え、子どもたちの姿にわずかではありますが和やかでうちとけた「笑顔」が見られています。
回を重ねるごとに、指導課題が明確になってきており、子どもたちの成長の変化を大切にしながら取り組みを続けていきます。なお、実施計画の概要は表1のとおりです。
三、おわりに
実施運営にあたり、会場である福島県郡山少年自然の家の全職員を中心として、各関係機関、福島大学教育学部の学生ボランティアの皆さんの献身的な御協力でこの取り組みが進められています。
事業への参加にあたり、様々な葛藤を繰り返す子どもたちには常時電話でのカウンセリングや手紙での語りかけを行い、また突然遊びに来館する子どもたちへの対応等も実施しながら、随時心の交流を図っています。
ふれあいが進むにつれ子どもたちの挨拶から、「おじちゃんまた来たよ。」「ありがとうまた参加します。」と心の葛藤を乗り越えて明るく語りかけてくる弾んだ声が響き、この事業の大きな役割を痛感しています。
自然体験学習(いもほり)