教育福島0183号(1994年(H06)11月)-021page

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より広い地域の詩人たちとの交流を通して、詩人相互の質の向上ならびに親睦を図ることを目的とする。」と会則の第一条に明記した。現在の会員一四四名、大瀧清雄氏を顧問に仰ぎ、名誉会員は、相田謙三・斎藤庸一・高橋新二・長谷部俊一郎・新城明博・三谷晃一・今泉壮一・小川琢士の八氏会長は高草陽夫(いわき本名藤岡興八郎)・理事長蛯原由起夫(会津、本名村野井幸雄)・事務局長伊藤俊晴(会津)で十六年の道行きということになる。当初より変わらぬ四大事業は一、詩祭、二、アンソロジー(年間詩集)の刊行、三、やさしい詩の教室、四、会報の発行。とマンネリの打破や新たな創造へのアイデアを命題としながら会を運営している。

「詩祭」は県芸術祭の参加行事として、現代詩人会設立の二年前から行なわれ、昭和五十一年に安西均氏を招いて矢吹町で開かれた。この催しが詩人会設立のきっかけになったことは言うまでもない。その後も日本現代詩人会の著名な詩人を招き、詩祭は続けられてきた。思い出すままに名前をあげてみると、会長をつとめた小海永二・長谷川龍生・菊地貞三(県文学賞審査員)・高田敏子・宗左近・三好豊一郎・永瀬清子・川崎洋・真壁仁・新川和江・石垣りん・磯村英樹・秋谷豊・の各氏が詩祭で講演している。今年の十月九日には、矢吹町の中央公民館で、「講演と朗読のつどい」が開かれへ直木賞作家で詩人の伊藤桂一氏が「詩と小説の関係」で講演する。

「やさしい詩の教室」は県内持廻りで、県の詩人を講師に、地方の愛好家を集めて講座を開いてきた。そして最大の事業の一つである年間詩集の発行がある。年版アンソロジーとして、編集当番を県北・県中・県南・いわき・相双・会津と六地区に分け、それぞれの地区が編集を担当した。現在まで十七冊の詩集を刊行した。県内の詩人が独立した個人として成長するための真剣な修羅場とも云うべき年間詩集の重みは大きい。なぜならば現代詩人は、命をけずり心の痛みに耐えながら、いい詩を書く処作を続けているからである。

四つ目の「会報」の発行であるが、年三回発行を忠実に守り、平成六年五月二十五日に五十号記念特集号を発行することが出来た。広い福島県に居住する詩人たちの情報交換の場として、なくてはならないものだと自負している。各人が個にこもって、周囲に詩人群の呼吸が聞こえないとき届く会報は、親しい友人が突然訪ねてきたような想いになるだろうと、勝手な推測をしている。三谷晃一氏がある年の賀状に「雪が消えて土筆や猫柳に出合ったような……」と友の訪れを書いておられるが、誌友がそんな想いで会報を手にしてくれると嬉しく思う。以上大きな事業を述べたが、各地で発行している詩誌の交換や個人詩集の出版記念会など、主催したり後援したり確かな歩みを続けている。

◆県内各地で発行されている詩誌

「鴉」いわき、「からまつ」福島、「詩季」内郷、「詩脈」会津高田、「卓」福島、「の」矢吹、「Q」二本松、「水脈」内郷、「詩神獣」郡山、「北方」喜多方、「ほむら」福島、「稜線」白河、「浪漫群盗」郡山、「忘れ草」玉川、「現代詩研究」二本松、このほかに会津地区の「会津詩集」、詩の会こおりやまの年刊詩集「熱気球」など地道な活動を展開している。

 

会津地区の朗読

 

講演中の小海永二氏

 

講演中の小海永二氏

福島県現代詩人会事務局

 

福島県現代詩人会事務局

◆大沼郡会津高田町字八月田一四六〇−一 村野井幸雄方

電話 ○二四二−五四−三七七二

FAX 〇二四二−五四−八七八九

 

福島県漢詩協会

会長 三瓶 宏

 

日中共通の文化遺産である漢詩を研尋しょうとしている私たちは、去る平成四年十一月に、アメリカ・ニューヨーク市にある中国人たちの漢詩結社「四海詩社」と姉妹締盟した。

これによって、本協会は中国本土の中華詩詞学会をはじめ、台湾、カナダなど世界各地の詩友と交流の道

 

 

 


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