教育福島0184号(1995年(H07)01月)-037page

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〈ソシオドラマを通して〉

センター所員による講義・演習に、「ソシオドラマを通して学ぶ国際理解教育」があります。これは、心理劇を通して、学校の国際化に対応できる感受性や能力を高めようとするものです。

今、県内の小・中学校には、三〇八人の外国籍児童生徒、一九四人の帰国子女がおります。最近、本県在住の外国人が飛躍的に増加している現状をみますと、学校の国際化は不可避のことに思えます。

ここでは、即興的な心理劇を通して、外国からの転校生や留学生との異文化交流を体験し、内面の理解に近付く感受性の質を高めようとしました。「一種のカルチャーショックだった」というような感想に見られるように当然と思っている学校文化を見直したり、児童生徒の心の一端を理解するきっかけになったようです。

 

ソシオドラマ「転校生マリコ」

 

〈国際交流−−体験発表〉

 

〈国際交流−−体験発表〉

現在、県内では二十三の学校が国際交流を行っています。

今回は、その中から、桑折町立醸芳小学校・原町市立石神中学校・県立棚倉高等学校の三校に、体験発表をしていただきました。

 

棚倉高等学校  石神中学校   醸芳小学校

棚倉高等学校  石神中学校   醸芳小学校

三好祥夫先生  佐藤和子先生  菅野光廣先生

 

醸芳小学校の発表は、南米のパラグアイとの交流や、国際的な学校環境の整備に工夫をこらしたもので、「これならできそう」「自分の学校でもやってみたい」という感想が見られました。

石神中学校は、「日英騎士道子ども交流」というロンドンのハイスクールとの交流で、「自然で、本当の優しさにふれた」という子どもたちの声が紹介されました。

棚倉高等学校からは、オーストラリアのハイスクールとの電子メッセージやパソコン通信などが紹介され、「そこまできたのか」という驚きに満ちた感想も見られました。

もちろん、国際交流はメリットばかりではなく、課題もありますが、意欲をそそると共に大きな感銘を与える発表でした。

 

〈地域の国際化の現場から〉

カナダ・ブリティッシュコロンビア州などとの交流に尽力し、本県に新設された国際専門員第一号として現在、県立会津大学に勤務される女池修二先生に、本県の国際化の現状と未来について、具体的で示唆に富むお話を伺いました。

 

女池修二先生

に、まず我々教師自身の国際化を図ることが期待されていると言えるでしょう。

 

このように一口に国際理解教育といってもそこにはさまざまな要素があることが分かります。しかし、その中を貫く「人間尊重」「人間理解」、そして現在から未来に向けての「共生」や「人権尊重」の理念は読み取れるのではないでしょうか。今後、国際化に対応できる児童生徒を育成するために、まず我々教師自身の国際化を図ることが期待されていると言えるでしょう。

 

 

 


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