教育福島0184号(1995年(H07)01月)-036page

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教育センターから

 

国際理解教育の進め方

−「国際理解教育講座」から考える−

 

学習指導部

 

〈新設された「国際理解教育講座」〉

国際理解教育とは、どんな教育なのでしょうか。

さまざまな答えが予想されます。外国人と外国語で話ができるようにする。世界各地の文化や風俗習慣を知る。宗教や哲学など異なった価値観を理解できるようにする……。

しかし、国際理解教育の根幹にあるものは「人間理解」であると言われます。

言葉ができなくても、知識がなくとも、一人ひとりの人間的ふれあいの中で互いに理解しあうことができる。「隣人」を理解するように、人種・国籍・性・文化の違いを越えて、互いに理解しあい、共に生き、共に現在と未来を分かち合うことができるという信念が、国際理解教育の根底にある理念です。

それでは、どのようにしてそれを学ぶことができるのでしょうか。今年から始まった「国際理解教育講座」の内容を紹介しながら、考えてみたいと思います。

 

日程

 

「二人で、一本のペンで家と木をかく」

 

「二人で、一本のペンで家と木をかく」

 

〈国際理解教育の目指すもの〉

 

〈国際理解教育の目指すもの〉

最初の講義・演習の講師、吉田新一郎先生は、オーストラリアで高校時代を送り、アメリカのMITで学んだ国際人ですが、現在はERIC(国際理解教育資料情報センター)事務局長として活躍されています。写真は、導入に実施した「二人で、一本のペンで家と木をかく」場面ですが、言葉を使わず、まだ自己紹介もしていない見知らぬ同士で協同作業をしているところです。戸惑いながらかいているうちに、いつのまにか親近感と共感が湧いてきて、旧知の間柄のようになっていきます。

ブレーン・ストーミング、ランキング、ロールプレイング……次から次へと繰り出される吉田先生の演習に夢中に取り組んでいると、「国際理解教育は、一人ひとりの人間を尊重しあうこと(受講生の感想から)」という理念が次第に見えてきます。

 

 

 


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