教育福島0185号(1995年(H07)02月)-006page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

提言

 

わかることばでわかる指導を

 

東京家政大学教授

熊田藤作

 

【筆者紹介】

 

【筆者紹介】

熊田藤作・くまだとうさく

〔略歴〕

昭和 四年 福島県石川郡玉川村生まれ

二十四年 福島県立郡山臨時教員養成所卒業

二十九年 青山学院大学文学部教育学科卒業

 

◇わかることばで

ある幼児が幼稚園から帰宅し、「お母さん心に目はあるの?個性的って何?」、と母親に尋ねたという。母親が事情を聞くと、その日、幼稚園で飼っている鶏を絵にかいたら、「あなたの絵は心の目で見てかいたから、個性的ですばらしい。」と先生から言われたという。

最近教育界では、豊かな心とか、個性的とか、また感性などという言葉がよく使われている。しかし、このような言葉は、少なくとも幼稚園児や小学校低学年の児童には、そのまま使って通じる言葉ではないようである。

この場合は「Aさんは鶏さん大好きなのかな?Aさんがかいた鶏さんはとても元気そうで、コッコ、コッコと鳴きながら歩いて来そうだね。目をみると、Aさん、私をかいてくれてありがとう、と言っているみたい。すばらしい。」とでも言うべきだったろうか。

 

◇やることがわかる

小学二年生の児童が、六年生を送る会で贈るプレゼント作りをやった時のことである。担任の教師が「六年生のお兄さんやお姉さんに喜んでもらえるものを、心を込めて作りましょう。」と励ましの言葉をかけたら、「どの六年生に贈るのかわからないのに、心の込めようがありません。」という一人の児童の発言が切っ掛けとなり、「僕も。私も。」と声があがったという。

そこで先生は「本当にそうだよね。では、僕の(私の)贈

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。