教育福島0187号(1995年(H07)06月)-020page

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一 自分だけの時間割で興味・関心に応じた選択学習

 

総合学科は「普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科」と定義されています。今ある普通科や専門学科とは次のような点で違います。

普通科は学校の定めたカリキュラムに従って国語、数学、英語などの普通科目を中心に全員が同じように学習します。専門学科でも学校の定めたカリキュラムに従って農業、工業、商業、水産、家庭などの専門科目を三十単位以上、全員が同じように学習します。

総合学科では数多く用意された選択科目の中から、一人一人の興味・関心や生き方、進路に基づいて勉強したい科目を選択し、自分だけの時間割を作り、学習をすすめます。

普通科は進学、専門(職業)学科は就職という固定的な観念にとらわれることなく、総合学科は、高校の学習過程の中で進路を決定することができ、進学にも就職にも対応できる学科、さらには生涯にわたる学習にも対応できる新しい学科ということができます。

 

二 進路と学習のガイダンス科目「産業社会と人間」

 

二 進路と学習のガイダンス科目「産業社会と人間」

 

県内初の総合学科のカリキュラムは次のようになります。

総合学科に入学してくる生徒は、大きく分けて三部門の教科・科目を学習します。

まず、第一は必修科目です。これは高等学校学習指導要領により、普通科の生徒も専門学科の生徒もすべての高校生が学習する科目で、総合学科の生徒も学習します。国語1)や数学1)などの科目(表1)が必修となります。総合学科では、主に一年次で必修科目を学習します。

次に、総合学科特有の科目で原則履修科目があります。これは総合学科の生徒に、原則として履修させるもので、「産業社会と人間」、「情報に関する基礎的科目」、「課題研究」の三科目があります。

新設の総合学科では一年次に「産業社会と人間」、「情報基礎1)」、二年次に「情報基礎2)」、三年次に「課題研究」を学習します。

原則履修科目の中で特徴的なものは「産業社会と人間」です。この科目は生徒が自らの進路を決定する上で大きな指針となるもので、職業の選択決定に必要な能力・態度、将来の職業生活に必要な態度やコミニュケーション能力を養うものです。職場見学や職業人の講話、討論、将来の生活設計立案などの学習を通じ、自己の適性を見極め、進路を決定し自己実現を図るための科目です。

 

百二十以上の選択科目

 

最後に選択科目です。総合学科では地域や学校の実情に応じて数多くの選択科目を設けます。選択科目は生徒が自己の興味・関心、進路等に基づき、選択して履修する総合選択科目と、それとは異なる性格の科目等からなる自由選択科目で構成されます。県内初の総合学科の総合選択科目と自由選択科目は表2に示されているとおりです。

選択科目の数は一年次の選択科目まで含めると百二十七科目となり、必修科目・原則履修科目の二十二科目を加えると百四十九科目となります。これは普通科のみの高校と比べて総科目数で約三倍、必修科目を除いた数で比較すると約六倍の多さになります。

 

(表1)

 

○数字は選択必修を( )は必修の単位数を表す

 

○数字は選択必修を( )は必修の単位数を表す

 

 

 


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