教育福島0187号(1995年(H07)06月)-019page

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特集2

平成8年4月開校

県内初の「総合学科」の概要

高等学校教育課

 

個性を伸ばす第三の学科「総合学科」

 

はじめに

県教育委員会は、「社会の変化に主体的に対応できるこころ豊かでたくましい児童生徒の育成」を重点施策とし、個性を伸ばす教育を目指して、魅力ある多様な高校・学科づくりを推進しています。

平成八年四月には、県内初の総合学科が新設されます。今回はその概要について特集します。

まず最初に総合学科が生まれてきた背景について考えてみます。昭和二十三年の新制高等学校発足以来、高等学校は国語・数学・歴史などを中心に学ぶ普通科と、農業や工業などの専門的な学習を行う専門学科の二本立てで行われてきました。近年情報化・国際化・高齢化などの社会の変化や、偏差値・不本意入学・進路決定の先送りなどの教育をとりまく環境の変化にも適切に対応できるよう、高等学校教育にもさらに改善を図る必要性が生まれてきました。

平成元年に文部大臣より、「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」の諮問を受けた中央教育審議会は、平成三年に答申をまとめ、その中で学科制度の再編成として、「普通科と職業学科とを総合するような新たな学科」を設置すべき旨の提言をしました。これを受けた文部省は「高等学校教育の改革の推進に関する会議」を発足させ、同会議は新しい学科の具体化について検討を進め、平成五年二月、「総合学科」の設立を提言し、その具体像を盛り込んだ報告をまとめました。

そして、高等学校設置基準の改正を経て、普通科、専門学科に並ぶ第三の学科「総合学科」が平成六年度から新たに設置できることになりました。

本県においては、国の動向を見据えながら、新しい時代に対応した魅力ある多様な高校・学科づくりを推し進めてきましたが、福島県学校教育審議会は、平成五年六月「生徒の多様な学習ニーズに対応できる新たな観点に立った総合学科を導入する必要がある。」と県教育委員会に対し答申を行いました。県教育委員会は、この答申を尊重しながら、全県的視野に立ち、設置校の検討を進めてきました。

各高等学校においても自校の将来像はいかにあるべきかが検討されていたところですが、県内初の総合学科は、さらなる活性化と二十一世紀に向け、揺るぎない学校づくりを目指している県立矢吹高等学校に設置されることとなり、校名変更もして新しいタイプの高等学校としてスタートすることになりました。

 

 

 

 

 


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