教育福島0187号(1995年(H07)06月)-051page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

教育福島0187号(1995年(H07)06月)-051page


教育・イン・ザ・ワールド

−教育は、社会・文化水準の鏡−

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」。

今回は、文部省教員海外派遣研修に参加し、チェコ、フランス等の教育事情を視察された川島敬章先生(田島町立田島小学校教諭)からのレポートです。

平成6年11月4日から16日間、「プラハの春」以降、新教育運動を模索するチェコ、歴史的遺産が豊富に残るオーストリア、バカロレア試験制度を設け、教育の充実を図っているフランスの3ヵ国を訪問する機会を与えていただきました。

ここでは、学校訪問をした2ヵ国を紹介します。

○チェコのストラコニチェ市の学校訪問からチェコは1993年に独立し、教育改革の基本理念として「開かれた教育」を掲げ、近代化への対応(情報化・国際化)、児童生徒の個性の伸長、人間性豊かな教育の3点を重点目標にしています。

訪問校のボレニツェ小中学校(小中が一緒)では、児童生徒が多くても20名という学級編成で個に応じた授業が行われていました。算数科の授業では、児童の問題意識を大切に取り上げ研究の深さに感心しました。「日本の『生活科』と同じ」という校長の説明には、驚いたほどです。教育制度としては部活動がなく地域のプロがピアノ等を指導する「趣味学級」の存在が特徴的でした。

○フランスのモー市の学校訪問から「学校は知識を伝授するところ」と学校教育の役割を明言し、能力主義で教育を推進しています。「とび級」や「原級留置」があるなど、まさに日本人の「甘え」の意識を払拭するような教育システムです。また、フランスの教育原理は「無宗教」「無償」「義務教育」の3本柱で、国家としてエリート社会を目指そうとする方針があります。数学や物理の授業などは質の高し】内容で、能力に応じた教育が行われていました。どの生徒からもよりよく生きるために学習するという熱意が感じられ、学ぶ意義や目的をしっかり自覚して取り組んでいる姿がとても印象的でした。

グランドエコールの製図の授業(ピエール高校:フランス)

グランドエコールの製図の授業(ピエール高校:フランス)

スポーツ英才教育(ストラコ二チェ市 : チェコ)

スポーツ英才教育(ストラコ二チェ市 : チェコ)

趣口未学校の学習風景(ストラコニチェ市 : チェコ)

趣口未学校の学習風景(ストラコニチェ市 : チェコ)

算数の授業風景(ボレニツェ・シェコラ : チェコ)

算数の授業風景(ボレニツェ・シェコラ : チェコ)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。