教育福島0188号(1995年(H07)07月)-011page

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三領域との関連を持たせることが各学校の目標達成のため極めて重要であるので、特に次の点に留意したい。

ア 教育課程編成は、重点目標達成の観点から行うこと。

例えば「基礎学力向上」を重点の一つにあげた場合、基礎学力向上のための全体の計画、展開・補充、深化・発展を具体的なプランとして全教職員共通理解の上に策定し実践可能にすること。

イ 具体化した目標を、各教科等の単元や題材の学習活動に位置づけること。

例えば、「基礎学力向上」について、各教科で実態把握、指導計画の見直し、学習活動の展開のさせ方等、具体的に評価反省を何に基づいて実施するかなどを明確にして実践できるようにすること。

ウ 教科等で努力することを年度当初に児童生徒と話し合い、確認するとともに評価簿等を作成し、指導に役立てること。

エ 授業案や週案に目標とのかかわりから実践事項を記入し、意図的に取り組むこと。

3 具現化のための組織体制

教育目標達成の基本条件は、教職員の役割を明確にし、教職員一人一人の持つ能力や特性を存分に発揮できるようにするとともに、組織として効果をあげ、目標達成に努めるところにある。

(1) 学校の実情に即した機能的な組織を編成すること。

(2) 教職員一人一人の職務内容を明確にし、責任体制を整えること。

(3) 教職員の適材適所の配置に心がけること。

(4) 委員会や各部会等を定期的に開催し、到達度や課題を明確にすること。

(5) 家庭や地域との連携を密にし、協力体制を確立すること。

4 教育目標具現化と評価

児童生徒の目標達成状況を絶えず評価し、指導法等を改善して目標に迫る相乗的効果を目指すため、次の点を大切にしたい。

(1) 教師、児童生徒の反省や評価を学校経営に生かす配慮をする。

(2) 定期的に反省し、成果や課題を全職員で確認し、指導に生かすこと。

(3) 学年末の評価の際は、評価の対象、観点、基準、方法等を明確にし、次年度に生かすこと。

(4) 保護者や地域の要望を可能な限り生かすよう努力すること。

 

二 特色ある教育過程の編成と展開

 

1 特色ある教育課程とは

特色ある教育課程とは、「自校の教育課題解決を目指す創造的な学校経営の教育計画」をいう。「特色ある」とは、自校の教育課題解決の営みの中に表れるものであり、他校にない特別な教育計画や他校でまねのできない独特な教育活動だけを意味するものではない。

その学校の児童生徒のために、その学校ならではの教育力が発揮できるよう組織した自校の教育計画を指すものである。

2 特色ある教育課程の編成

各学校において、特色ある教育課程を編成し、展開していくには、新しい学力観に立つ教育と児童生徒のよさを生かした教育の考え方を基本にするとともに、県教育委員会や市町村教育委員会の重点施策を十分考慮し、子供たちの実態や地域社会の願い等を的確に把握し、分析して自校の課題を明確にしておく必要がある。

その課題解決のために、各学校が特色ある教育課程を編成していくわけであるが、その留意点は次の通りである。

(1) 自校の教育課題について全職員が共通理解し、解決の方針、見通し、手だて等を明確にする。

(2) 自校の指導計画を作成する。

ア 児童生徒の実態を的確に把握する。

イ 児童生徒のよさや可能性を生かし、新しい学力観に立つ資質や能力の育成を図る指導計画を作成する。

ウ 校長のリーダーシップのもとに自校化推進のための体制を整える。

(3) 地域素材の教材化に努め、地域の特性を生かすよう配慮する。

ア 地域の施設、文化財、自然環境などについて調査し、自校の教育活動に生かせるか吟味検討する。

イ 地域の人々の考えや願いを自校の教育活動に適切に反映させる。

3 特色ある教育課程の展開

教育課程を展開するにあたっては、教育活動を児童生徒一人一人がそのよさや可能性を生かしながら、豊かに生きていくために必要な資質や能力を身につけていくプロセスとしてとらえ、推進していくことが大切となる。そのためには、各学校のきめ細かな創意・工夫が必要となるが、その対応を検討する基本的な観点は次のとおりである。

(1) 新しい学力観に立った学習指導を推進するための工夫

自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を育成していくためには、各学校の教職員の特性や指導力、自然環境、地域の素材、学習の場などを総合的に生かし、学

 

 

 


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