教育福島0188号(1995年(H07)07月)-010page
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て、国際社会に生きる日本人を育成するためには、諸外国の人々の生活や文化を理解し、尊重するとともに、日本の文化と伝統を大切にする態度を育てることが肝要である。
そのためには、日本や諸外国の文化や歴史等に関わる学習において、児童生徒が自ら課題をもって追求する学習活動をとおして理解を深め、日本人としての自覚やものの見方や考え方を育てるとともに外国の人々の立場や発想にも理解をもつ態度を育てることが必要である。
各教科等の指導に当たっては、次の点に留意する必要がある。
(1) 日本人としての自覚と誇りをもち、文化の発展に貢献できる資質を育てる教材の選択を工夫する。
(2) 世界と日本とのかかわりに関心を持たせ、世界の中の日本人としての自覚と責任感を培う指導を充実する。
(3) 郷土学習等の導入による文化や歴史等の学習の充実、身近な環境を生かした生活科の充実、個性を生かした選択教科の拡充、外国語によるコミュニケーション能力の育成、国際理解教育の推進などの一層の創意工夫により充実する。
以上、今後の学校教育の課題について触れてきたが、以下に示す視点について各学校において努力することが望まれる。
一 学校教育目標の具現化
1 教育目標の見直し
学校の教育目標は、児童生徒の心身の調和のとれた人間の育成を目指し、学校や地域の実態、保護者の願い、児童生徒の発達や特性などを十分に考慮し設定されるものである。そのようにして設定された各学校の教育目標は、当然教育課程編成のためのよりどころとなるものであり、学校の教育活動全体を通じて達成すべき実践的なねらいでもある。
特に、近年は、社会の著しい変化に伴い、児童生徒や保護者の生活意識や価値感が大きく変化し、また多様化してきており、それらの変化に対応して学校の教育課題を的確にとらえ、それに応じた教育目標を設定する必要がある。
その際、次の点に留意することが大切である。
(1) 自校の教育課題を的確に把握して目指す児童生徒像を明確にすること。
(2) 関係法令、学習指導要領、県及が市町村教育委員会の重点施策等を踏まえること。
(3) 学校や児童生徒の実態、保護者や地域社会の願い、教職員の期待を考慮すること。
(4) 知・徳・体が調和的に構成されるようにすること。
(5) 児童生徒にとってもわかり易い表現にすること。
なお、前年度の目標を踏襲する場合は、次の点に留意したい。
(1) 教育目標設定の背景と今日的意味付け、自校の教育課題を明らかにするとともにそれらの関連を図りながら全職員の共通理解を十分に図ること。
(2) 教育目標の分析、内容の吟味及び整理、構造化を進め、一層の具現化を図ること。
2 教育目標の具現化
教育目標は概して抽象的であったり、概念的に表現されたりしている。それを、具体的、重点的なものにし、その達成のための方策や計画に基づいて児童生徒が行動化、態度化に至る過程を具現化ととらえる。したがって、一人一人の児童生徒が、発達段階に応じて、教育目標を自らの課題として受けとめるとともに教職員が一丸となって組織的に取り組めるようにすることが大切である。
(1) 重点目標の設定
教育目標は、長期的、総体的、調和的であることが多い。したがって教育目標を達成するためには重点目標を設定し、その達成を、まずめざすことが望ましい。重点目標は、短期的、強調的、部分的なものであり、その設定に当たっては、前年度の反省や児童生徒の実態に応じて教育目標実現の状況の陥没点を強調するものでありたい。さらに、単年度で到達可能な目標とし、具体的、実践的で、児童生徒にとってもわかりやすく、親しみやすい表現にすることが大切である。
(2) 学年・学級目標への具現化
学年目標は、重点目標を児童生徒の発達段階や実態に即して具体化した指標である。設定に当たっては、次の点に留意したい。
ア 教育目標の内容を分析し、児童生徒の発達段階や実態に即した具体的な内容であること。
イ 教育活動の中での指導の場と機会を明確にすること。
ウ 各学年に応じた目標達成の内容を明確にすること。
エ 学期や月ごとに、重点的な実践事項を明らかにすること。
オ 学年にかかわる教師の役割を明確にし、学期毎及び月毎に評価、改善が行えるようにすること。
学級目標は、重点目標、学年目標を受けて、学級の実態や担任の指導方針を生かして設定されるものである。設定に当たっては、児童生徒との話し合いの機会を設定して定めることが望ましい。
(3) 各教科、道徳、特別活動の目標への具現化
重点目標を具現化するためには、
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