教育福島0188号(1995年(H07)07月)-017page
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各学校では、次のような点を踏まえて取組みを強化する必要がある。
(1) 児童生徒の声が受け止められる体制の整備、学校を挙げた対応、実践的な校内研修の実施、養護教諭の積極的な位置付け、関係機関等との連携の強化等、実効性ある指導体制の確立を図る。
(2) 事実関係の究明や保護者とのきめ細かな連携、いじめる側への指導、児童生徒が自己存在感を持てる学級経営の充実に努める。
(3) 児童生徒や保護者とふれあう時間を確保し、信頼関係を醸成する。
(4) 学校教育活動全体を通じて集団活動や体験学習を推進したり、生命尊重の教育の充実を図ったりするなど積極的な生徒指導の展開に努める。
(5) 「開かれた学校」の観点に立ち、家庭・地域のより良きパートナーとしての連携協力関係の構築に努める。
登校拒否児童生徒は、年々増加の傾向にあり、憂慮すべき状況にある。
登校拒否は、どの児童生徒にも起こり得るもので、学校生活上の問題に起因している場合がしばしば見られる。しかし、学校・家庭・関係機関・本人の努力でかなりの部分を改善、解決できるという側面を持つ。
このような理解と認識に基づいて、指導・援助に当たる必要がある。
(1) 問題解決のために学校が果たす役割
ア 児童生徒同士、教師と児童生徒との温かな人間関係を育て、学校が自己存在感を実感でき、精神的に安心できる「心の居場所」となるようにする。
イ 予防のための指導や問題解決のための温かで粘り強い指導援助、再登校への配慮を適切に行う。
(2) 学校としての指導援助の基本的な在り方
ア 学校としての指導体制や教育相談の機能の充実に努める。
イ 集団生活における交友関係の調整やわかる授業の実現など学校生活の改善充実を図る。
ウ 登校拒否の早期発見、即時対応に努め、粘り強く指導をする。
エ 家庭や専門の相談機関との連携を積極的に行い、協力して解決にあたる。
七 学年・学級経営の充実
1 教育目標の具現化と学年・学級経営
全ての児童生徒にとって学校生活が、自分の能力を発揮することができ、友達や教師から認められ、成就感を味わいながら、生き生きと学習ができる場になって欲しいと願いつつ、私たちは日々の教育実践を積み重ねている。
学年経営も学級経営もその目指すところは学校の教育目標の具現化であり、それぞれの児童生徒の実態の上に立ちながら、その児童生徒の持つ能力・適性を最大限に伸長させ、人間性豊かな児童生徒の育成を図ることが究極の目標である。
2 一人一人の児童生徒が生かされる学年経営
(1) 学校の教育目標の達成に努める学年経営
教育目標の具現化を図るためには、学年の特質を踏まえた具体的な目標の設定、全学年の教師の共通理解のもとでの教育実践内容を明確にすることが必要である。
そして、各学級担任が共同の責任を負い、共に実践していくことが大切である。
(2) 学級経営の中で有効にはたらく学年経営
学年経営が学校経営の中で有効にはたらくためには、学年の指導体制が機能的に組織されていなければならない。具体的な学年目標や方針を確立し、諸計画の立案、基本的に生活習慣のあり方等について学年内の教師が協力し、共に努力するといった考えに立って指導援助していくことが必要である。
(3) 一人一人の児童生徒理解に基づく学年経営
教師は全ての教育活動を通して、児童生徒一人一人を深く理解し、学級の枠を超えた援助指導に当たることが大切である。そのためには、組織的・計画的に学年間の教師が話し合いのできる機会を設定し、柔軟な指導ができる体制を整える必要がある。
(4) 教師の力量が生かされる学年経営
個々の教師が自分の力を最大限に発揮できるよう分担し、経営の効率化を進める。それぞれが学年内の役割を十分認識し、協力して指導に当たることが大切である。
(5) 学年教師間の信頼関係を基盤とした学年経営
学年経営の効果を高めるためには、望ましい学年教師の集団づくりと相互理解や信頼関係に支えられてはじめて個々の教師の力量が発揮されるとも言える。従って経験を積んだ教師は、初任者に対する援助やアドバイスを積極的に行い、共通指導などが十分浸透するように努める必要がある。
3 活力と充実感がみなぎる学級経営
(1) 一人一人に自分のものの見方や考え方を育てる学級経営
学級担任は、児童生徒一人一人の実態を的確に把握し、これからの社
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